岩井滝

岩井滝：中国山地の秘境に佇む絶景と名水

岡山県苫田郡鏡野町上齋原中津河に位置する岩井滝は、高さ約10メートル、幅約6メートルの見事な滝です。周囲は、氷ノ山後山那岐山国定公園に指定されており、豊かな自然に抱かれた、まさに秘境と言えるでしょう。

滝は、鳥取県境から流れ下る中国山地の清流が、約25キロメートルに渡って浸食された安山岩の岩盤から流れ落ちることで形成されています。地元ではこの岩盤を「通り岩」と呼んでおり、その岩盤が作り出した岩室から、水が勢いよく流れ落ちる様は圧巻です。

岩井滝の最大の特徴は、滝の裏側から滝壺を眺めることができる点です。このため、地元では「裏見の滝」とも呼ばれています。滝壺の奥深くまで見渡せる珍しい構造となっており、訪れる者に独特の感動を与えてくれます。滝つぼに流れ落ちる水の勢い、そして周囲の自然の静けさ、それらが織りなすコントラストは、まさに息を呑む美しさです。

そして岩井滝の魅力は、滝だけではありません。滝から約100メートル下流には、「岩井」と呼ばれる湧水があります。この湧水は、1985年に名水百選に選定された、大変貴重な水源です。水温は約10℃、1日あたりの湧出量は170トンにも及ぶ軟水で、その清らかさは、周辺の豊かな自然環境を象徴しています。

アクセスは、国道482号を利用するのが便利です。周辺には、散策路なども整備されており、岩井滝だけでなく、国定公園内の豊かな自然を満喫することもできます。四季折々の美しい景色を眺めながら、ゆっくりと自然散策を楽しむのも良いでしょう。春の芽吹き、夏の緑、秋の紅葉、冬の静寂と、それぞれの季節で異なる表情を見せてくれる岩井滝とその周辺は、まさに自然の宝庫です。

岩井滝は、その雄大な姿と、名水百選に選ばれた湧水、そして裏見の滝という珍しい構造と、多くの魅力を併せ持った、岡山を代表する観光スポットの一つです。中国山地の豊かな自然を体感したい方には、ぜひ訪れていただきたい場所です。

周辺には、ハイキングコースも整備されており、体力に合わせて散策を楽しむことができます。滝壺周辺だけでなく、周辺の景色も楽しむことで、より一層岩井滝の魅力を堪能することができるでしょう。また、近くの施設で、地元の特産品などを楽しむのも良い思い出になります。

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