岩倉具光

岩倉具光は、1886年（明治19年）にロシアのモスクワで生まれました。父は子爵の岩倉具経で、祖父には明治維新で活躍した岩倉具視がいます。学習院を経て、1908年に東京高等商業学校（現在の一橋大学）を卒業後、政界と実業界で活躍しました。

初期のキャリアでは、桂太郎内閣で大蔵大臣秘書官を務めました。その後、欧米での滞在を経て、実業界に転身。1921年に日本運送の監査役に就任したのを皮切りに、1923年には阪神急行電鉄の監査役、1924年には国際運送の専務取締役、1926年には内国通運の取締役と、複数の企業の要職を歴任しました。また、同年には国際運送の社長にも就任しています。

1931年からは阪神急行電鉄の取締役として、阪急百貨店の経営に携わりました。また、プロ野球球団である大阪タイガース（現在の阪神タイガース）の創設にも関わり、球団の勧誘活動にも尽力しました。1936年には阪神急行電鉄の専務取締役に昇進しています。

1943年には、阪神急行電鉄と京阪電気鉄道の合併により京阪神急行電鉄が発足し、翌1944年には副社長に就任しました。この間、後藤圀彦、河合良成とともに番町会を設立し、帝人事件の公判では証人としても関わっています。

岩倉具光は、岩田屋の大株主でもありました。1960年（昭和35年）6月26日に亡くなり、多磨霊園に埋葬されています。

親族関係については、妻の花は銀行家である岩下清周の長女であり、弟には海軍中将の鮫島具重がいます。また、古河電気工業の社長や商工大臣を務めた中島久万吉は義兄にあたります。

岩倉具光は、激動の時代を駆け抜けた実業家として、その多岐にわたる活動を通じて、日本の経済発展に大きな足跡を残しました。

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