岩倉城 (尾張国)

岩倉城とは

岩倉城は、現在の愛知県岩倉市に位置する、15世紀後半に築かれた日本の城です。この城は、尾張国を二分する勢力の一つであった「織田伊勢守家」（岩倉織田氏）の拠点として重要な役割を果たしました。

歴史

文明11年（1479年）頃、織田敏広（または織田信安）によって築城されたと伝えられています。岩倉織田氏は、この城を拠点に尾張上四郡を支配し、尾張下四郡を支配する清洲織田氏と対立しました。岩倉城は、当時の尾張において清洲城と並ぶ重要な城として、その武威を示しました。

しかし、弘治2年（1556年）の稲生の戦いで、城主の織田信安が織田信長の弟である織田信行（信勝）に味方したため、信長と対立することになります。その後、永禄元年（1558年）の浮野の戦いで信安の跡を継いだ信賢が敗北し、翌永禄2年（1559年）3月には、信長による攻撃を受け、岩倉城は落城しました。この落城については、永禄元年（1558年）とする説もあります。

構造

岩倉城は、標高10メートルの低い台地上に築かれた平城です。その規模は、東西約104メートル、南北約169メートルとされています。城の南には、小田井城が相対するように位置していました。現在、本丸跡には「岩倉城址」と「織田伊勢守城址」の碑が建てられています。

発掘調査によって、城の周囲には二重の堀が巡らされていたことが判明しています。五条川右岸からは、幅約10メートルと幅約23メートルの堀がそれぞれ2条ずつ発見されており、外堀と内堀であると推定されています。内堀に囲まれた区画からは、3条の区画溝と東西約43メートルの区画が発見されています。この場所からは、井戸や人工的な穴が多数発見されたほか、土師器皿や質の高い中国製の陶磁器も出土しており、岩倉城の中心部であったと考えられています。また、焼土面も発見されており、信長による焼き討ちの痕跡であると推測されています。

五条川左岸からも、3条の堀と出土品が発見されており、左岸にも岩倉城の関連施設が存在したことが示唆されています。

地籍図の分析からは、南北約900メートル、東西約400メートルの規模で武家屋敷や市町が形成されていたことが分かっています。

現在

現在、岩倉城址は史跡として整備されており、その歴史を伝える貴重な場所となっています。城跡を訪れることで、当時の武将たちの興亡や、城の構造について学ぶことができます。

アクセス

名古屋鉄道犬山線「岩倉駅」から徒歩約15分でアクセスできます。

関連情報

日本の城一覧
岩倉市公式HP「岩倉の文化財を探そう（史跡）」

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