岩倉義男

岩倉義男（いわくら よしお）は、1914年3月生まれ、2002年7月8日に没した日本の高分子化学者です。工学博士の学位を持ち、日本の高分子化学研究の発展に大きく貢献しました。

東京工業大学と東京大学で長年にわたり教鞭をとり、多くの研究者を育成しました。特に、ジイソシアナートとグリコールとの重付加反応を利用したポリウレタンの合成研究で知られています。この研究で合成されたポリウレタンは「ポルラン」と名付けられました。また、反応性高分子や耐熱性高分子といった分野でも数々の業績を上げ、高分子化学の発展に大きく貢献しました。

略歴

1931年：旧制前橋中学校（現群馬県立前橋高等学校）を卒業。
1934年：桐生高等工業学校を卒業後、民間の企業に就職。
1939年：東京工業大学染料化学科を卒業、同大学の助手として研究生活をスタート。
1948年：東京工業大学助教授に就任。
1955年：東京工業大学資源化学研究所教授に就任。
1962年：東京大学工学部合成化学科教授に就任。
1974年：成蹊大学工学部教授、工学部長に就任。
2002年7月8日：急性硬膜下血腫のため逝去。


受賞

1968年：日本化学会賞を受賞。
1987年：勲三等旭日中綬章を受章。

役職

1973年：日本化学会副会長に就任。
1973年：有機合成化学協会会長に就任。
* 1974年：高分子学会会長に就任。

岩倉義男は、高分子化学の分野において、基礎研究から応用研究まで幅広く活躍し、その功績は日本の化学界に大きな足跡を残しました。特に、工業的にも重要なポリウレタンの合成研究は、現代社会における高分子材料の発展に不可欠なものとなっています。

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