岩倉駅 (京都府)

岩倉駅：歴史と地域社会を繋ぐ叡山電鉄の駅

京都市左京区に位置する叡山電鉄鞍馬線の岩倉駅（いわくらえき）は、1928年（昭和3年）に鞍馬電気鉄道によって開業しました。駅番号はE10です。

駅の歴史：戦後から現代へ

第二次世界大戦後、1958年から32年間は複線区間の終点として、多くの折り返し列車が運行されていました。しかし、1990年（平成2年）に二軒茶屋駅まで複線区間が延伸された後は、折り返し列車はなくなりました。

開業以来、幾度かの変化を経てきました。1942年（昭和17年）には京福電気鉄道に合併、1944年（昭和19年）には戦争による資材供出で山端（現在の宝ケ池）～二軒茶屋駅間が単線化されました。その後1958年には宝ケ池～岩倉駅間が再び複線化され、1986年（昭和61年）には叡山電鉄に鞍馬線が譲渡されました。2006年（平成18年）には隣接地に京都市岩倉地域包括支援センターが開設され、バリアフリー化のための改築が行われました。この改築により、駅はより利用しやすくなりました。

駅の構造とバリアフリー化

岩倉駅は、相対式ホーム2面2線の無人駅です。各ホームには出入口とスロープが設置されており、ホーム全体は上屋で覆われています。出町柳駅方面のホームにはトイレもあります。平日の朝は定期券の予約受付のため駅員が配置されます。

かつては他の駅と同様に踏切から階段でホームへアクセスする構造でしたが、2006年のバリアフリー化改築によって、現在のような安全で使いやすい構造になりました。ホーム間の移動は、駅の出町柳駅側にある京都府道106号線沿いの踏切を利用します。

駅周辺：静かな住宅街と交通の要所

岩倉駅周辺は、市街化調整区域に指定されているため、高層マンションなどの大規模開発は制限され、一戸建て住宅と低層集合住宅が中心の静かな住宅街が広がっています。

駅前にある京都府道106号線は、鞍馬線と踏切で交差しており、以前は幅員が狭くボトルネックとなっていましたが、2015年（平成27年）に拡幅工事が行われ、歩行者も安全に通行できるようになりました。

また、京都市営地下鉄烏丸線の国際会館駅へも徒歩圏内（約1キロメートル）とアクセスも良好です。

周辺の観光スポットと文化施設

駅から北西約1.5キロメートル圏内には、歴史的な寺院や旧宅があります。静寂に包まれた雰囲気の中で、歴史と文化に触れることができます。

実相院
岩倉具視幽棲旧宅
大雲寺
石座神社

バス路線：充実したアクセス

京都バスが運行する路線バスは、岩倉駅北300メートルほどの「岩倉駅前」停留所が最寄りとなります。国際会館駅や京都駅などへのアクセスも充実しています。

隣の駅

* 叡山電鉄鞍馬線：八幡前駅 - 岩倉駅 - 木野駅

岩倉駅は、歴史と静けさ、そして現代的な利便性を兼ね備えた、地域に根付いた駅と言えるでしょう。これからも、多くの人の暮らしを支える存在として、その役割を果たしていくことでしょう。

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