岩屋駅 (兵庫県)

岩屋駅：歴史と文化が交差する神戸の駅

神戸市灘区岩屋北町に位置する阪神電気鉄道本線岩屋駅（HS 30）は、1905年の阪神本線開業と同時に誕生しました。以来、長い歴史の中で幾多の出来事を経てきました。1933年には駅以西が地下化され、近代的な駅へと変貌を遂げます。しかし、1938年の阪神大水害や1945年の空襲で被災、その度に復旧工事が行われました。

1995年の阪神・淡路大震災では、大きな被害を受け一時的に営業を停止しましたが、同年2月には三宮駅との間で運転を再開、3月には西灘駅との間も再開しました。この震災を機に、駅周辺の再開発も進み、HAT神戸地区の整備が始まりました。

1999年から2001年にかけては、大規模な駅改良工事が実施されました。この工事によって、駅舎は移転、ホームは島式ホーム1面2線から、現在の2面2線へと改築されました。バリアフリー化も進み、エレベーターやエスカレーターが設置されました。同時に、神戸高速鉄道に駅関連施設が譲渡されました。山陽電気鉄道との直通運転も幾度かの変更を経て、現在は普通電車のみの停車となっています。2011年には「兵庫県立美術館前」という副駅名が加わり、その立地がより明確になりました。

駅構造と周辺環境

岩屋駅は、分岐器や絶対信号機を持たない停留場です。ホーム有効長は120mで、阪神・山陽電気鉄道の6両編成に対応していますが、近畿日本鉄道の車両には対応していません。また、ホームには転落防止柵が設置されています。改札口は西側に1か所のみで、かつて東側にも存在していましたが、戦後の状況変化に伴い廃止されました。東口の名残である古い階段は、現在も残されています。

駅西側の地下トンネル出入口には、「和風通」「技補天」という扁額が掲げられており、歴史を感じさせます。

駅周辺には、兵庫県立美術館、HAT神戸、神戸製鋼所本社、国際協力機構兵庫国際センター、WHO神戸センターなど、様々な施設が立地しています。教育機関としては、神戸市立灘の浜小学校、神戸市立灘さくら支援学校、神戸市立渚中学校、神戸市立科学技術高等学校、神戸市立神戸工科高等学校、神戸市立青陽灘高等支援学校、神戸朝鮮初中級学校などがあります。また、JR灘駅や阪急王子公園駅も比較的近距離にあり、交通の利便性が高いエリアです。

かつては駅南側に阪神タクシー乗り場がありましたが、現在は撤去されています。タクシー利用は駅北側のセブンイレブン付近か、駅北側の道路から手を挙げて利用する方法が推奨されています。

バス路線と利用状況

駅周辺には、阪神バス、神戸市バス、みなと観光バスが乗り入れています。2007年度の1日の乗降客数は9,804人でした。

隣の駅

岩屋駅の隣の駅は、西灘駅と春日野道駅です。なお、駅以西が地下化される以前は、当駅と春日野道駅間に脇浜駅が存在していました。古い地図には、さらに岩屋東口駅、岩屋西口駅も存在したと記されています。

岩屋駅は、歴史と文化、そして近代的な設備が調和した、神戸の重要な交通拠点です。

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