岩崎啓眞

岩崎啓眞：ゲーム業界の多才なクリエイター

岩崎啓眞氏は、1963年京都府生まれのプログラマー、ライターです。ゲーム雑誌を中心に執筆活動を行い、その活動においては「いわさきひろまさ」名義も使用しています。

輝かしいキャリア

京都教育大学附属高等学校卒業後、大阪歯科大学に入学しますが中退。在学中の1985年頃からCD-iのシステム設計に携わり、同時期にゲーム雑誌『Beep』でライターデビューを果たします。当初はプログラミングに関する記事を執筆していましたが、後にゲームレビューへと活動の幅を広げていきます。

1988年にはハドソンに入社。PCエンジン向けゲームソフトのプログラミングと演出を担当する傍ら、『マル勝PCエンジン』でゲームレビューを担当します。プログラマーとしての視点からゲームを評価し、辛口ながらも的確なレビューで知られていました。特にシューティングゲームへの造詣が深く、高い評価を得ていました。

1994年にはメディアワークスに移籍し、『電撃PCエンジン』、『電撃PlayStation』、『電撃王』といった人気ゲーム雑誌で活躍します。ゲームレビューやコラムの執筆に加え、プログラマーとしての経験を活かし、電子出版やオンライン事業の立ち上げにも参画しました。

メディアワークス退社後は、韓国のベンチャー企業でのゲーム開発や、ゲームロフトニュージーランド支部でのスマートフォンゲーム開発を経て、日本に戻ります。AppBankGames株式会社への出向、enishでの執行役員ゲームデザインディレクター就任など、多様な企業で活躍。2016年からは外資系ゲーム会社IGGの日本支社でゲームデザインディレクターとして従事しています。

PCエンジン版『イースI・II』への貢献

ハドソン在籍時には、PCエンジン版『イースI・II』の移植に携わったことで有名です。彼は演出を担当し、会話シーンに女性キャラクターの顔をアップにしたCGを挿入するなど、PCエンジンの表現力を最大限に活かした独自の演出を施しました。この手法は後のPCエンジンソフト、ひいてはゲーム業界全体に大きな影響を与え、現在では一般的な表現方法となっています。また、音楽についてもCD音源を使用し、米光亮氏にアレンジを依頼するなど、当時としては画期的な試みを行っています。さらに、「いわさきひろまさ」とパスワードを入力することで隠し音楽が聴ける裏技も実装しています。

多様な活動と影響力

岩崎氏は、シューティングゲームファンとして知られており、その評価は他のゲームと比較して高めであると評されることもありますが、常に客観的な視点を持ってレビューを行っていました。

『ときめきメモリアル』への高い評価も有名ですが、実際は総合点95点で、全ての項目で満点だったわけではない点も興味深いところです。

近年は、Wikipediaの検証可能性に関する自身の意見や、過去作品に関するブログでの記述、そして名誉毀損訴訟での勝利など、多角的な活動を行っています。また、書籍『ゲームの歴史』における事実誤認の指摘なども行っています。

多彩なゲーム作品への関与

これまでに携わったゲーム作品は多岐に渡り、『NO・RI・KO』、『ファイティングストリート』、『凄ノ王伝説』、『ボンバーボーイ』、『天外魔境II 卍MARU』など、ハドソン時代からの作品から、近年開発されたモバイルゲームまで幅広く関わっています。

まとめ

岩崎啓眞氏は、プログラマー、ライター、そしてゲームデザインディレクターとして、日本のゲーム業界に多大な貢献をしてきた人物です。その幅広い経験と高い技術力、そしてゲームへの深い愛情は、これからも多くのゲームクリエイターに影響を与え続けることでしょう。

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