岩崎淑

岩崎 淑（いわさき しゅく）

岩崎淑は、日本のクラシック音楽界で著名なピアニスト兼教育者です。1937年4月3日に岡山県倉敷市に生まれました。彼女は、桐朋学園大学の大学院教授として指導に当たる一方で、尚美学園大学やくらしき作陽大学、武庫川女子大学などでも客員教授として活動しています。また、音楽コンクールの審査員としても多くの経験を持ち、第3回高松国際ピアノコンクールでは音楽監督代行兼審査員長を務めました。

学歴とキャリアの始まり

岩崎は桐朋学園にて音楽の基礎を固めた後、アメリカのハートフォード大学音楽学部、ジュリアード音楽院、さらにイタリアのキジアーナ音楽院にて専門的な教育を受けました。彼女の師には井口秋子やB.ミケランジェリなど、名だたる音楽家が名を連ねています。1967年にはミュンヘン国際音楽コンクールでの受賞を皮切りに、ブダペスト国際コンクールなど、数々の国際コンクールでその才能を証明しました。特に1970年にはチャイコフスキー国際コンクールで弟の岩崎洸と共に受賞し、その名声を高めました。

演奏活動と教育への取り組み

日本に帰国後、岩崎は日本と海外を頻繁に行き来しながら、ヤーノシュ・シュタルケルやイツァーク・パールマン等の著名な音楽家たちと共演し、室内楽の分野でも精力的に活動を続けました。日本のクラシック音楽シーンにおいては、アコパニストの重要性を説き、演奏活動を通じて多くの後進を育ててきました。桐朋学園大学での指導活動に加え、イタリアやオランダ、フランスの音楽院でも教鞭をとっています。

音楽祭とコンサート

岩崎はまた、「沖縄ムーンビーチミュージック・キャンプ＆フェスティバル」を1979年から主宰しており、1997年からは「沖縄国際音楽祭」の音楽監督を務めています。また、彼女が主催する「岩崎淑ミュージック・イン・スタイル」は1979年から続いており、毎年異なる編成や新作の初演を取り入れた多彩な公演を行っています。この活動により、国際的な評価を得ると共に、若手演奏家の支援にも貢献しています。

受賞歴と著作

その活動がなされた成果として、岩崎は1990年の芸術祭賞や1997年のイタリア・ヴァルセジア音楽協会プンチェット金賞、1999年のノルウェー王国功労勲章など、数多くの栄誉を受けています。また、彼女の著作ではアコパニストとして必要な人格や態度についても言及しており、最近では『アンサンブルのよろこび』が出版されました。

岩崎淑の音楽への情熱と教育への取り組みは、彼女の生涯を通じて日本のクラシック音楽界に多大な影響を与え続けています。

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