岩手県第2区

岩手県第2区の概要

岩手県第2区は、日本の衆議院議員選挙において重要な位置を占める選挙区であり、1994年に公職選挙法の改正に伴って設置されました。本区は本州地方で最大の面積を誇っており、岩手県の約63%にあたる9,652平方キロメートルを占有しています。この広大な地域は青森県よりも広く、東京都の約3.2倍に相当します。

現在の区域

2017年に改正された公職選挙法により、岩手県第2区の区域が変更されました。この変更により、山田町が再度第2区に編入され、これまで存在した第4区は廃止され、新たに遠野市、釜石市、大船渡市、陸前高田市、上閉伊郡、気仙郡などが追加されました。一方で、盛岡市の玉山地区は第1区に移されました。現在、以下の市町がこの選挙区に含まれています。

• - 宮古市
• - 大船渡市
• - 久慈市
• - 遠野市
• - 陸前高田市
• - 釜石市
• - 二戸市
• - 八幡平市
• - 滝沢市
• - 岩手郡
• - 気仙郡
• - 上閉伊郡
• - 下閉伊郡
• - 九戸郡
• - 二戸郡

歴史的背景

中選挙区制度の時代、岩手県第2区は鈴木善幸元首相（山田町出身）の地盤として知られていました。政治的には、岩手県の小選挙区の中で自民党が唯一議席を保持していた地域でもありました。1996年以降、鈴木の息子である鈴木俊一が連続して当選し、その後も党内で重要なポジションを務めました。

しかし、2009年の衆議院選挙では、民主党が県内で優位に立ち、初当選を果たした新人の畑浩治が議席を得ることになりました。以降、県内の選挙区における自民党の議席は乏しくなり、岩手は「自民党空白区」と呼ばれる状況に陥りました。そうした中、2012年に鈴木が再び当選し、自民党が復活する道を開きました。

2017年の衆院選では、区域変更により畑が希望の党から出馬したこともあって、一騎討ちが注目されました。しかし鈴木が圧倒的な支持を受け、約31,000票の差で勝利を収めました。2021年の選挙でも鈴木は現役の財務大臣として挑み、相手候補に倍以上の差をつけて連続4選を果たしました。この選挙では、鈴木が持つ強力な基盤が改めて示される結果となりました。

選挙結果と投票率

選挙情勢を見てみると、時の内閣の変遷とともに投票率が変動している様子が分かります。例えば、2021年の選挙では最終投票率が60.28%であったのに対し、2009年の選挙では71.62%と高い投票率を記録しています。このような推移は、選挙区の政治的対立や各党の戦略にも影響されています。

まとめ

岩手県第2区は、広大な面積に加え、地域特有の政治的背景がある選挙区です。歴史や選挙結果の変遷から見ても、地元の有権者の支持を受けながら自民党が復活を果たす一方で、民主党がかつての勢力を持っていたことを考えると、今後の動向にも注目が集まります。

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