岩本弘司

岩本弘司：東宝映画を彩った脇役俳優

岩本弘司（いわもとこうじ）は、1932年2月9日生まれの日本の元俳優です。京都府出身で、明治大学を卒業しています。本名は岩本弘（いわもとひろし）。

彼の俳優としてのキャリアは、新[[東宝]]の殺陣師であった父親の影響が大きかったと言えるでしょう。東宝映画へ入社した岩本は、主に脇役として数多くの作品に出演しました。当初はBホーム枠でしたが、持ち前の才能で次第に活躍の場を広げ、最終的には本数契約制のAホームへと移籍しています。

時代劇からアクション映画まで幅広く活躍した岩本は、殺陣師としての技量も高く評価されていました。一方で、その人柄も魅力の一つでした。さっぱりとした性格で、年齢を問わず多くの人々から慕われ、「弘チン」という愛称で親しまれていました。東宝で助監督を務めた梶田興治氏によれば、バーの店員役が多かったことから「バーテンダー専門俳優」とあだ名されていたそうです。書籍『ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』では、「男性的で精悍な役柄に持ち味を発揮」と評されています。

プライベートでは野球が得意で、元プロ野球選手の手塚勝巳氏設立の東宝野球部に所属し、大仲清治氏らと共にチームを盛り上げていました。

1970年、東宝の俳優専属制度が崩壊したことに伴い、岩本は俳優業を引退します。その後は、東宝の斡旋によって越後憲氏と共に東宝本社付近の喫茶店に就職しました。しかし、役者への未練は断ち切れなかったようです。俳優仲間であった加藤茂雄氏によると、転職後も撮影後に喫茶店を訪れた加藤氏に「役者で食えるか？」と尋ね続けていたとのことです。

後輩のひし美ゆり子氏は自身のTwitterで、岩本氏が心臓病のため40～50代で急逝したとツイートしています。

出演作品

岩本弘司は、数多くの映画やテレビドラマに出演しました。代表的な作品としては、以下が挙げられます。

映画

次郎長三国志シリーズ
七人の[[侍]]
ゴジラシリーズ（『ゴジラの逆襲』、『モスラ対ゴジラ』など）
空の大怪獣ラドン
地球防衛軍
変身人間シリーズ
暗黒街シリーズ
独立愚連隊シリーズ
若大将シリーズ
クレージー映画
国際秘密警察シリーズ
東宝8.15シリーズなど

テレビドラマ

ウルトラシリーズ（『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』など）
快獣ブースカ
怪奇大作戦
旗本退屈男など

これらの作品において、岩本は個性豊かな脇役を演じ、映画やドラマの世界に深みを与えました。彼の演技は、多くの観客に感動と興奮を与え続けたことは間違いありません。

参考文献

『東宝特撮映画全史』（監修：田中友幸、東宝出版事業室）
『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』（監修：田中友幸、責任編集：川北紘一、Gakken）
『別冊映画秘宝 モスラ映画大全』（洋泉社）
『東宝特撮映画大全集』（ヴィレッジブックス）
* 「映画論叢」第26号（国書刊行会）

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