手塚勝巳

手塚 勝巳の生涯と業績

手塚勝巳（てづか かつみ、1912年8月31日生まれ）は、日本の俳優であり、特にスーツアクターや縫いぐるみ俳優として知られています。彼の経歴は、プロ野球選手として始まり、その後俳優として成功を収めるという独特なものです。神奈川県横浜市で生まれた彼は、早稲田実業学校から専修大学を経て、大東京軍（後の東京グルージャFC）で投手としてのキャリアをスタートさせました。

プロ野球選手としてのキャリア

手塚選手はプロ野球界での活躍は限られていましたが、通算5試合に出場し、代打での出場が主でした。彼のポジションは投手から外野手へと変わりました。戦後、彼は俳優業へと転身し、新東宝を経て東宝に入社しました。この転身には著名な映画監督マキノ雅弘の助けがあったとされています。

映画界でのキャリア

東宝に入社した後、手塚は俳優仲間の待遇改善に尽力し、業界内で尊敬される存在となりました。そのため、彼は大部屋俳優の中でも一際人気を誇っていました。特に、特撮映画におけるスーツアクターとしての役割が注目され、ジャンルの中で重要な役割を果たしました。

手塚は特撮映画『ゴジラ』でゴジラ役に抜擢されましたが、着ぐるみの重量や運動性により、最初のテストでは期待通りのパフォーマンスを発揮できず、役を後に中島春雄に譲りました。中島がゴジラ役を演じる際、手塚はそれをサポートし、様々な怪獣役を演じていきました。特に『ゴジラの逆襲』では敵怪獣のアンギラス役を務め、その存在感を示しました。

俳優としての個性とエピソード

手塚の演技スタイルは非常に力強く、特に怪獣役を担う際の身体能力は彼のスポーツマンシップを思わせるものでした。『大怪獣バラン』の撮影中には、撮影機材の問題で事故にあうこともあり、非常に過酷な状況での演技も強いられました。彼はまた、怪獣映画の撮影中にしばしば中島に怒鳴り散らしたエピソードが語られ、その個性的な性格は一部で有名でした。

その後、手塚はサポート役としての立場を続け、他の怪獣映画にも出演しました。1960年代半ば以降は出演記録が確認されなくなり、彼のキャリアは徐々に静まっていきました。日本映画界での存在感は非常に大きく、特に東宝の特撮映画における貢献は今なお記憶されています。

まとめ

手塚勝巳は、プロ野球から俳優へというユニークな経歴を持つ人物であり、スーツアクターとして特撮映画の歴史に名を刻んだ重要な存在です。その強靭な肉体と情熱は、多くの映画ファンの記憶に残り続けています。彼の功績は、後世の俳優やスーツアクターたちにとっても大きなインスピレーションとなるでしょう。

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