岩本章

岩本 章（いわもと あきら）

岩本 章は、1921年1月14日に高知県高知市で生まれ、1993年3月4日に72歳で亡くなった日本のプロ野球選手です。外野手として活躍し、プレースタイルや成績で多くのファンに親しまれました。選手生活後は、岩本 章良（いわもと あきよし）という名義で知られるようになりました。

来歴・人物

岩本は高知商業学校時代からその俊足と堅実な守備で名が知られ、四国の中等野球界では有名な存在でした。1938年、東京巨人軍に入団することになります。入団時には高校卒業後に内定していた丸紅への入社が決まっていましたが、社長が読売新聞社の株主であったため、巨人入りが実現したという興味深い経緯があります。

彼は、巨人軍の花形選手である13年組の一員として、期待を背負ってプレーを始めました。しかし、健康を崩す場面も多く、1939年には名古屋軍に移籍しました。1943年には4本のホームランを打ち、本塁打王に輝くなど、彼のキャリアにおける重要な実績を残しました。戦後の1946年には、戦後第1号の本塁打を放つなど、彼のタレントは衰えを知りませんでした。

しかし、1947年のオフに球団代表であった赤嶺昌志が解任されると、岩本は中部日本を退団し、1948年には阪急ブレーブスへ移籍します。阪急では山田伝や野口二郎といった他の選手と併用され、準レギュラーとしてプレーしました。

1950年になると、セントラル・リーグの新球団、広島カープに移籍します。この移籍は宇高勲の引き抜きに応じた結果で、ここでも岩本は重要な役割を果たします。特に開幕戦、3月10日の対西日本パイレーツ戦では、セ・リーグ初の安打と初盗塁を達成しました。レギュラー外野手として、打率.277、12本塁打、51打点という素晴らしい成績を残し、1952年までその地位を保ちました。

しかし、1953年にはハワイから銭村健四が入団すると控えに回り、同年限りで選手としてのキャリアを終了しました。

引退後の活動

引退後は広島球団で様々な役職を歴任。マネージャーや球場部長、ヘッドコーチ（1961年 - 1962年）、そしてスカウト業務を行い、将来の選手育成に尽力しました。また、広島テレビの解説者（1964年）も務め、その後1965年からは阪神の一軍打撃コーチ、1966年からは二軍監督として活動し、1969年までその職務を全うしました。その後は球団のフロントにも身を置き、野球界の発展に寄与しました。

1993年に逝去するまでの72年間の人生の中で、岩本は巨人や広島といった球団で多くの人々に愛され、特に広島では深い繋がりを持ち続けました。息子には経済学者として知られる岩本武和がいます。

詳細情報

• - 本塁打王: 1回（1943年）
• - 背番号: 様々な背番号をつけてプレー（6、20、15、26、7、61、62）

岩本章は、高知県出身で、時代を超えて多くの後輩たちに影響を与えた選手で、彼の存在は今も語り継がれています。

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