岩松経家

岩松経家の生涯と功績

岩松経家（いわまつ つねいえ）は、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて活躍した武将です。彼は上野国新田荘岩松郷を拠点とする領主であり、岩松氏の一族に属しています。経家の家系は、祖先である岩松時兼が新田義兼の娘と足利義純の子であったため、新田氏と足利氏の両方との強い結びつきがありました。

鎌倉の戦いへの参戦

正慶2年（1333年）5月8日、新田義貞が新田荘で挙兵すると、経家は義貞に加わって鎌倉の戦いに参加します。この戦闘に先立ち、経家は足利尊氏から北条高時追討の命令を受け取っていたことが記録されており、これはある種の事前連携を示唆しています。文献によると、経家は鎌倉攻めの際に「搦手大将軍」に任命されており、義貞とともに重要な役割を担っていました。

建武政権とその後の活動

義貞が上洛した後、経家は鎌倉に留まり、足利方に属しました。建武政権時代には、倒幕の恩賞により多くの北条氏の所領を受け継ぎ、飛騨国の守護職やその他の地頭職にも任じられました。また、足利直義が成良親王を奉じて鎌倉将軍府を設置すると、それを防衛するための関東廂番の二番頭人を務めました。

中先代の乱と最期

建武2年（1335年）7月、中先代の乱に際し、信濃に潜伏していた北条時行が大軍を引き連れて鎌倉に攻撃を仕掛けてきました。経家は渋川義季と共に、その防衛に立ち向かいましたが、この戦闘で命を落としてしまいます。この戦いでは、経家を含む兄弟三人が戦死し、家族の遺領は直国によって引き継がれました。彼の死は、一族にとって大きな悲しみであったと考えられています。

関連する文化作品

岩松経家は、数々の文化作品にも取り上げられています。特に、テレビドラマ『太平記』（1991年 NHK）では、赤塚真人が経家を演じました。また、テレビアニメ『逃げ上手の若君』にも彼に基づいた描写があります。これらの作品を通じて、経家の存在や活躍が後世に伝えられています。

参考文献

さらに詳しい情報を知りたい方は、峰岸純夫著の『新田岩松氏』（戎光祥出版、2011年）を参照してください。

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