岩殿寺 (逗子市)

岩殿寺（がんでんじ）

岩殿寺は、神奈川県逗子市久木に位置する曹洞宗の寺院です。山号は海雲山で、本尊として十一面観世音菩薩が祀られています。そのため、地元では「岩殿観音」とも呼ばれ、名所としても知られています。また、逗子八景の一つとしても称され、訪れる人々に美しい景観を提供しています。

特に、泉鏡花が逗子に滞在していた時期に訪れた回数が多いことで知られ、多くの文学愛好者や観光客がその足跡を辿るために訪ねる寺院となっています。岩殿寺の本尊に対する真言に『おん まか きゃろにきゃ そわか』というものがあります。そして、訪れる人々が唱えるご詠歌には「たちよりて天の岩戸をおし開き 仏をたのむ身こそたのしき」とあるように、人々に安らぎや希望をもたらす場所でもあります。

歴史

岩殿寺の創設は、寺伝によると養老5年（721年）に徳道上人によってなされ、その後行基が十一面観音像を造立して安置したとされています。この初期の歴史から多くの人々に崇敬されてきました。鎌倉時代には源頼朝がこの寺に寺領を寄進したことがあり、歴史的にも重要な位置を占めています。文献『吾妻鏡』には、源実朝がしばしばこの寺に参詣したことが記録されています。

その後、岩殿寺は衰退する時期を迎えましたが、天正19年（1591年）、徳川家康によって再興されました。しかし、明治時代に入り、廃仏毀釈の動きが広がる中で再び衰退の波に直面しました。

文化財

岩殿寺には文化財として保護されているものがいくつか存在します。観音堂は1971年12月13日付で逗子市の指定有形文化財に認定されており、地域の歴史的価値を示しています。また、伝説では空海が作ったとされる爪彫地蔵も、訪れる人々を魅了しています。

所在地とアクセス

岩殿寺は、神奈川県逗子市久木5丁目7-11にあり、公共交通機関を利用する際は、横須賀線（JR東日本）の逗子駅から徒歩で約17分ほどの距離です。また、横須賀・総武快速線や湘南新宿ライン（宇都宮・横須賀系統）も利用できるため、様々な方面からアクセスが可能です。

札所・関連情報

岩殿寺は坂東三十三観音の1つとして位置づけられており、前後に位置する札所には杉本寺や安養院（鎌倉市）があります。これらの寺院を巡ることで、歴史や文化をより深く理解することができます。

結論

岩殿寺は、その豊かな歴史と文化環境を持ち合わせ、地域で重要な役割を果たしています。訪れることで、ただの観光地でなく、心の安寧をもたらす特別な体験ができることでしょう。もし逗子を訪れる機会があれば、ぜひ岩殿寺に足を運んでみてください。

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