岩永雅也

岩永雅也

岩永雅也（いわなが まさや、1953年 - ）は、日本の教育学者であり、放送大学の学長を務めています。専門分野は教育社会学、社会調査法、生涯学習であり、これらの分野で幅広い研究活動を行っています。

来歴

1953年、佐賀県藤津郡嬉野町（現在の嬉野市）に生まれましたが、幼少期に千葉県へ転居しました。1972年に東京教育大学附属高等学校（現在の筑波大学附属高等学校）を卒業後、1977年に東京大学経済学部を卒業しました。その後、東京大学大学院教育学研究科博士課程に進み、1982年に単位取得満期退学しました。

大阪大学人間科学部の助手、放送教育開発センター（後のメディア教育開発センター）を経て、1989年に放送大学教養学部の助教授に就任しました。2000年には教授に昇進、2018年には副学長に就任し、2021年4月からは放送大学長として大学運営の重責を担っています。

2014年には、筑波大学大学院図書館情報メディア研究科にて博士（学術）の学位を取得しました。

専門分野である高等教育、生涯学習、才能教育に関する研究に力を入れており、これらの分野における第一人者として知られています。

研究内容

岩永雅也氏の研究は、教育社会学の枠組みを基盤とし、社会における教育の役割や機能、変遷を多角的に分析しています。特に、生涯学習の重要性を早くから提唱し、現代社会における生涯学習のあり方について深く考察を重ねてきました。また、才能教育にも関心を寄せ、個人の才能を最大限に引き出すための教育方法についても研究しています。

社会調査法の専門家としても知られており、教育に関するさまざまなデータを収集・分析し、客観的な根拠に基づいた研究を行っています。その研究成果は、教育政策の立案や教育現場での実践に活用されています。

著書

岩永雅也氏は、多くの著書を執筆しており、その著作活動を通じて教育分野に大きく貢献しています。主な著書には以下のようなものがあります。

『生涯学習論-生涯学習社会の展望』（放送大学教育振興会、2002年）
『生涯学習論-現代社会と生涯学習』（放送大学教育振興会、2006年）
『教育と社会』（放送大学教育振興会、2011年）
『現代の生涯学習』（放送大学教育振興会、2012年）
『教育社会学概論』（放送大学教育振興会、2019年）

これらの著書は、教育学の研究者だけでなく、教育に関心を持つ一般の人々にも広く読まれており、教育に関する理解を深める上で重要な役割を果たしています。

共編著

岩永雅也氏は、単著の他に、多数の共編著も発表しています。以下に主なものを挙げます。

『社会調査法』盛山和夫,近藤博之共編著（NHK出版、1992年）
『逸脱の社会学』清永賢二共編著（放送大学教育振興会、1993年）
『社会調査の基礎』大塚雄作,高橋一男共編著（放送大学教育振興会、1996年）
『創造的才能教育』麻生誠共編（玉川大学出版部、1997年）
『社会科学入門-社会の総合的理解のために』坂井素思,橋本裕藏共編著（放送大学教育振興会、1997年）
『改訂版 逸脱の社会学』清永賢二共編著（放送大学教育振興会、1998年）
『社会学入門』倉沢進,秋元律郎共編著（放送大学教育振興会、2001年）
『改訂版 社会調査の基礎』大塚雄作,高橋一男共編著（放送大学教育振興会、2001年）
『教育社会学』稲垣恭子共編著（放送大学教育振興会、2003年）
『岐路に立つ大学』舘昭共編著（放送大学教育振興会、2004年）
『こころとからだ 人間を理解する』滝口俊子,佐藤禮子共編著（放送大学教育振興会、2007年）
『大人のための「学問のススメ」』工藤庸子共著（講談社現代新書、2007年）
『新版 教育社会学』稲垣恭子共編著（放送大学教育振興会、2007年）
『教育と心理の巨人たち』星薫共編著（放送大学教育振興会、2010年）
『才能と教育 - 個性と才能の新たな地平線へ』松村暢隆共編著（放送大学教育振興会、2010年）
『格差社会と新自由主義』坂井素思共編著（放送大学教育振興会、2011年）
『発達科学の先人たち』星薫共編著（放送大学教育振興会、2016年）
『現代教育入門』岩崎久美子共編著（放送大学教育振興会、2021年）

これらの共編著は、それぞれの分野における専門家との共同作業を通じて、教育学の研究に新たな視点や知見をもたらしています。

関連項目

筑波大学附属中学校・高等学校の人物一覧

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