岩生成一

岩生 成一について

岩生成一（いわお せいいち、1900年6月2日 - 1988年3月21日）は、日本の著名な歴史学者であり、東京大学の名誉教授として広く知られています。彼は日本学士院の会員でもあり、その業績は後の歴史学に多大な影響を与えました。

生い立ち

岩生は東京に生まれ、1925年に東京帝国大学の文学部国史学科を卒業しました。当初は同史料編纂掛に勤務し、その後、台北帝国大学の教授として南洋史を担当しました。その後も長い学術キャリアを築き、1941年には著書『南洋日本町の研究』で帝国学士院賞を受賞しました。

学術活動

戦後、1948年に東京大学文学部教授に就任し、1961年までその職にありました。その後も日本大学文理学部や法政大学文学部で教鞭をとり続けました。特に日本近世の対外交渉史に関する研究を専門としており、日蘭交渉史研究会の主宰や日蘭学会の理事長として活動しました。

1951年には『南洋日本町の研究』を基に東京大学から文学博士の学位を授与され、1965年には日本学士院の会員に選出されました。また、1968年には朝日文化賞を受賞しています。1970年には勲二等授瑞宝章が贈られ、1972年にはオランダ政府からオランエ・ナッサウ勲章コマンダー章を受けました。さらに、1978年にはイギリス学士院の客員となり、1987年には東京大学名誉教授に任命されました。

主要著書

岩生成一の著作は多数にのぼります。彼の主な著書としては、藤沢友吉との共著『近世日葡通交小史』（1927年）、『南洋日本町の研究』（1940年）、『朱印船貿易史の研究』（1958年）、『朱印船と日本町』（1962年）、『日本の歴史 第14 鎖国』（1966年）、『江戸時代日蘭文化交流資料集』（1980年）、そして『続・南洋日本町の研究』（1987年）があります。

また、彼は『慶元イギリス書翰　異国叢書』（1929年）や『外国人の見た日本 第1 南蛮渡来以後』（1962年）などの編纂や翻訳にも関わっています。

回想と評価

彼の晩年には、弟子たちとの座談を通じて自身の学問の回想も残され、2000年には『東方学回想 Ⅶ　先学を語る〈5〉』として出版されました。岩生成一の業績や思想は、今なお多くの歴史研究に影響を与え続けています。

岩生成一は1988年3月21日に逝去しましたが、彼が築いた学問の基盤は今後も後進の研究者たちに引き継がれていくことでしょう。

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