幣原内閣

幣原内閣 (しではらないかく)

幣原内閣は1945年10月9日に発足し、幣原喜重郎が第44代内閣総理大臣を務めました。この内閣は、日本がアメリカを中心とする連合国の占領下にある中で、戦後の復興や改革を進める役割を担っていました。内閣は1946年5月22日まで続きました。

内閣の構成と人事

内閣発足時、幣原内閣には国務大臣や内閣書記官長などが就任し、戦後の困難な状況に対応するために組織されました。在職日数は97日で、その後、1946年1月13日には一部の閣僚を入れ替える改造を行い、通算で226日間にわたり政権を維持しました。

内閣発足の背景

幣原内閣成立の背景には、1945年10月5日の東久邇宮内閣の総辞職があります。この辞職を受けて、昭和天皇の要請に応じ、内大臣の木戸幸一が中心となり、平沼騏一郎枢密院議長と吉田茂外相などが協力し、幣原が首相に選ばれることになりました。組閣の大命は10月6日に下され、幣原内閣はついに成立しました。

GHQの影響と内閣の動き

内閣が誕生した時、日本国内は連合国軍による占領が続いており、GHQ（連合国軍最高司令官総司令部）の強い影響力がありました。マッカーサーからは五大改革と憲法の自由主義化に関する示唆がなされ、幣原内閣はこれに対応する形で憲法改正や社会立法に取り組みました。

内閣は1945年12月18日に衆議院を解散し、戦時体制の色を一掃しようとしましたが、GHQは内閣の改革が不十分だと判断し、より急進的な政策を指示しました。特に財閥解体や戦犯の逮捕、衆議院選挙の延期といった措置が講じられました。

政権維持の危機

1946年1月4日には公職追放令が発布され、この影響で内閣は存続の危機を迎えましたが、後に一部閣僚を入れ替えることで危機を乗り越え、選挙の実施時期も許可されました。この期間内には内大臣府や陸軍省・海軍省が廃止され、復員省が新設されるなど、大きな組織再編が行われました。

憲法改正と経済問題

幣原内閣では、憲法改正についても動きがありましたが、最初に提出された松本試案は却下されました。その代わりに、マッカーサー草案をベースとした憲法改正草綱が策定されました。さらに、ハイパーインフレーションと食料難の問題に対処するため、経済措置法も成立しました。

総選挙と内閣の終焉

1946年4月10日には、戦後初の衆議院議員総選挙が行われました。この選挙は、日本で女性の参政権が認められた最初の普通選挙でもありましたが、どの政党も単独で過半数を獲得することはできませんでした。幣原は日本進歩党に入党し内閣維持のために動きましたが、他政党からの激しい反発を受けて倒閣の危機にさらされます。最終的に、幣原内閣は1946年5月22日に総辞職し、その後吉田茂が新たに首相に就任しました。

結論

幣原内閣は、日本の戦後改革を進める意欲を持っていましたが、政治情勢の変化や内外の圧力により困難な状況に直面し、短期間での総辞職という結果となりました。その後の日本の政治においても、その影響は残り続けました。

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