岸壁の母 (テレビドラマ)

『岸壁の母』は、1977年にTBS「花王 愛の劇場」枠で放送された全40回の昼ドラマです。このドラマは、昭和初期、一人の母親が戦争に徴兵された息子を待ち続ける姿を描いた物語です。

物語の舞台は、昭和初期。主人公の端野いせは、夫を亡くし、女手一つで息子・新二を育てています。新二は心優しく健やかに成長し、青年へと成長します。しかし、その新二に召集令状が届き、戦地へと送られてしまいます。東京の大森に住むいせは、京都まで汽車で通い、舞鶴港に帰還する引揚船を待ち続けます。幾度となく港へ足を運び、息子の姿を探しますが、新二の姿はどこにもありません。それでも、いせは息子の帰りを諦めず、待ち続けるのです。

このドラマでは、母と子の強い絆に加え、戦争によって引き裂かれる家族の悲しみと、戦後の混乱の中で生きる人々の姿が描かれています。いせの息子を思う強い気持ちと、いつか必ず息子に会えると信じ続ける姿は、多くの視聴者の心を打ちました。

主な登場人物

端野いせ: 主人公。一人息子の新二を女手一つで育てた心優しい母親。市原悦子が演じました。
端野新二: いせの息子。幼少期から青年期までを、渡辺康司、中野健、大和田獏がそれぞれ演じました。
三浦文雄: 新二の小学校の先生。山本耕一が演じました。
三浦とよ子: 文雄の妻。生田くみ子が演じました。
水野のぶ子: 新二の恋人。小畑あやが演じました。

その他、菅貫太郎、飯田和平、長澄修、市原清彦、三戸部スエなど、多くの俳優が出演しています。

スタッフ

原作: 端野いせ
監督: 高橋繁男、菱田義雄
脚本: 高岡尚平、秋田佐和子
音楽: 木下忠司
制作: 松竹・TBS

主題歌

『岸壁の母』
作詞: 藤田まさと
作曲: 平川浪竜
編曲: 白石十四男
唄: 二葉百合子
発売: キングレコード

『岸壁の母』は、放送当時大きな反響を呼び、その後も中京エリアのテレビ愛知やローカル局で再放送されています。また、二葉百合子が歌う主題歌『岸壁の母』も大ヒットし、現在でも多くの人に歌い継がれています。このドラマは、戦争という悲劇の中で、親子の強い絆と愛情を描いた名作として、長く記憶されることでしょう。

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