岸谷 (横浜市)

神奈川県横浜市鶴見区岸谷について

岸谷（きしや）は、横浜市鶴見区の西部に位置する町名で、一丁目から四丁目までが存在します。この地域は住居表示が実施されており、住宅地としての顔を持つ一方で、歴史的な背景も持ち合わせています。

地理

岸谷は、京浜急行電鉄の生麦駅とJR東海道本線の北側に隣接する小高い丘陵地に位置しています。北側は東寺尾や東寺尾中台、北東は鶴見や東寺尾東台、南東から南にかけては生麦、西側は神奈川区の子安通や子安台と接しています。この地理的な特徴から、起伏に富んだ地形が見られます。

地価

住宅地の地価は、2024年1月1日の公示地価によると、岸谷4-22-25の地点で29万3000円/m²となっています。この数値は、住宅地としての価値を示す指標となっています。

歴史

大正時代、隣接する生麦が市街化する中でも、岸谷は農村としての色彩が強く残っていました。稲作や寺尾大根などの畑作が盛んに行われており、水源としては房野池や二ツ池といった溜池が利用されていました。

特に、房野池は1920年に山崎積蔵によって買収され、自然公園「三笠園」として開園しました。この三笠園は、花菖蒲をはじめとする多様な植物が植えられ、「花菖蒲の三笠園」として知られました。また、同年のアントワープオリンピックでは、三笠園内の房野池が水泳選手の練習場および予選会場として使用され、近代泳法への転換が指導されました。

しかし、三笠園は入園者不足により1927年に閉園。その後、房野池跡には1937年に横浜市営岸谷プールが開設されました。二ツ池も、宅地化により一部が観光用池として残されたものの、多くは埋め立てられました。

1967年、岸谷は生麦町から分離し、東寺尾町や神奈川区子安台の一部を合わせて鶴見区岸谷として新たに発足。一丁目から四丁目が設けられました。この時、町名は住民の要望により、旧小字の岸谷から取られました。

地名の由来は、山側の谷戸、または山手の谷を指す言葉とされ、古くは「ガケのある村」と呼ばれた生麦の谷戸を意味するとも考えられています。

沿革

1889年（明治22年）：町村制施行により生見尾村大字生麦字岸谷となる。
1920年（大正9年）：三笠園開園。
1921年（大正10年）：町制施行により鶴見町の大字生麦字岸谷となる。
1927年（昭和2年）：横浜市に編入され、生麦町の一部となる。三笠園廃止。
1933年（昭和8年）：潤光学園（現・法政大学女子高等学校）設立。
1937年（昭和12年）：房野池跡に横浜市営岸谷プール開設。
1941年（昭和16年）：横浜市立岸谷小学校開設。
1947年（昭和22年）：横浜市立生麦中学校開設。
1956年（昭和31年）：岸谷小学校から出火、12教室を焼失。
1967年（昭和42年）：住居表示実施により生麦町から分離し、岸谷一丁目～四丁目が設置される。
1969年（昭和44年）：岸谷地区下水道工事開始。
2005年（平成17年）：岸谷三丁目31番・33番の街区を変更。

世帯数と人口

2024年4月30日現在、岸谷の世帯数と人口は、横浜市によって発表されています。

学区

市立小・中学校の学区は、2023年4月時点で定められています。

事業所

2021年現在の経済センサス調査によると、岸谷には一定数の事業所と従業員が存在します。

交通

岸谷には、東海道本線貨物支線が通っていますが、町域内には駅はありません。最寄りの駅は京急本線の生麦駅または花月総持寺駅になります。

道路としては、国道1号（第二京浜国道）が通っており、都市計画道路岸谷生麦線も計画されています。

施設

岸谷には以下の施設があります。

法政大学国際高等学校
横浜市立生麦中学校
横浜市立岸谷小学校
横浜市営岸谷プール
岸谷公園
横浜市鶴見消防署岸谷消防出張所
鶴見警察署岸谷交番
横浜岸谷郵便局
厚生労働省鶴見宿舎
JR鶴見保育園
岸谷地区集会所
島忠ホームズ横浜鶴見店
コープかながわ岸谷店

史跡

岸谷には以下の史跡があります。

生麦風早台遺跡
杉山神社
安養寺 - 浄土宗の寺院
龍泉寺 - 真言宗の寺院

その他

郵便番号は230-0078で、鶴見郵便局が管轄しています。警察は、鶴見警察署の管轄です。

参考資料

横浜市町区域要覧

関連項目

生麦
横浜環状北線
岸谷（曖昧さ回避）

外部リンク

横浜市鶴見区公式サイト
* 都市計画道路岸谷生麦線


※子安通とは線路脇の一点のみで接している。

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