島原船津駅

島原船津駅（しまばらふなつえき）は、長崎県島原市津町に所在する島原鉄道島原鉄道線の鉄道駅です。この駅は、長崎県内で最も東に位置する駅としても知られています。

歴史

島原船津駅は、大正時代にその歴史をスタートさせました。開設は1913年（大正2年）9月24日で、当時は湊新地駅（みなとしんちえき）という名称でした。その後、駅名は幾度か変更されています。1918年（大正7年）7月16日には島原湊駅（しまばらみなとえき）に改称され、さらに1960年（昭和35年）11月5日には南島原駅（みなみしまばらえき）となりました。南島原駅として長年親しまれてきましたが、令和に入った2019年（令和元年）10月1日に、現在の島原船津駅に再度改称されました。この改称は、南島原市に存在する駅と混同されるケースがあったためと、島原鉄道の公式アナウンスで説明されています。

また、鉄道ネットワークの拡大に関連して、1922年（大正11年）4月22日には口之津鉄道によって当駅から堂崎駅までの区間が開通しています。かつては貨物輸送も行っていましたが、1957年（昭和32年）3月21日をもって貨物取扱は廃止されました。

駅舎に関しては、開設当初の1913年に建てられた木造2階建ての建物が、実に百年以上にわたり使用されてきました。しかし、周辺の道路整備計画や建物の老朽化に伴い、建て替えられることになりました。新しい駅舎の工事は2015年（平成27年）2月から始まり、その間は仮駅舎での営業が行われました。新駅舎は2015年6月13日に落成記念式典が開催され、同月16日から利用が開始されています。

駅構造

駅の構造は、地上駅であり、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線から構成されています。駅には車両基地が併設されており、島原鉄道線内を往復する列車の多くがこの駅で折り返すため、複数の留置線が設けられ、夜間滞泊も行われています。ホームのうち、一番留置線に近いホームはあまり頻繁には使用されず、主に車両留置に使われることが多いようです。列車交換を行わない場合は、上下線ともに駅舎側のホームに停車します。かつては当駅で乗務員の交代が行われていましたが、これは2008年（平成20年）3月31日まで実施されていました。

特徴的な設備として、駅舎前方の上下本線間に格納式の給油設備が設置されています。島原外港駅（現在の島原港駅）から加津佐駅までの区間が廃止される以前は、気動車が下り列車として加津佐方面へ向かい、折り返しの上り列車として当駅に停車中に給油を受ける運行形態が多く見られました。そのため、上り列車の当駅での停車時間が長めに設定されていることがあり、乗客を乗せたまま給油作業が行われる様子が見られたといいます。

新しい駅舎は、建て替えられることになった初代の木造駅舎の雰囲気を随所に引き継いでいます。正面の駅名表記は、旧駅舎の旧漢字・毛筆体の意匠をそのまま残し、「島原船津驛」と表示されています。また、丸時計や横一線に伸びる高窓といった細部にも、旧駅舎のデザインが反映されています。さらに、正面入口はバリアフリー化され、利用しやすい構造になっています。

駅員は23時台まで配置されていますが、列車内の運賃収受を行うため、駅での集札業務は行っていません。ワンマン運転の列車では、車内で運賃を支払うことになります。自動券売機は設置されていませんが、この駅では「硬券」と呼ばれる昔ながらの厚紙の乗車券を購入することができる数少ない有人駅の一つです。

利用状況

近年における駅の利用状況を見ると、2018年度のデータでは、年間乗車人員が9,132人、降車人員が8,504人となっています。

駅周辺

駅の周辺には、海に関連する施設や自然、教育機関などが点在しています。主要な施設としては、島原港や景勝地である九十九島が挙げられます。また、生活道路として国道251号や長崎県道134号島原湊停車場線が通っています。近隣には島原市立第三小学校、有明幼稚園、浦田保育園などの教育機関もあります。

バス路線

駅近くの国道251号沿いには、島鉄バスの湊広馬場停留所があります。ここからは様々な方面への路線バスが利用できます。特に、口之津・加津佐方面行きの乗り場の前には温泉が湧き出ているという珍しい光景が見られます。

停車する主なバス路線には、雲仙・愛野駅・諫早を結ぶ線、島原港・多比良港・諫早を結ぶ線、廃止された鉄道区間の代替バスである加津佐・有家・島原駅線、藤原線、島原市内線（島原病院・芝桜公園前行き）、そして島原市コミュニティバスのたしろ号などがあります。

隣の駅

島原鉄道線の隣接駅は以下の通りです。
霊丘公園体育館駅 - 島原船津駅 - 島原港駅

その他

島原港駅と加津佐駅間の鉄道区間が廃止される以前は、一部の列車が当駅で車両交換を行う運用がありました。また、かつて運用されていたキハ20形気動車は、夏休みや冬休み、ゴールデンウィークなどの期間を除き、基本的に諫早駅と当駅の間での運用に限られていたため、当駅で乗り換えが必要となる場合がありました。

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