島津久倫 (宮之城家)

島津久倫（しまづ ひさとも）

島津久倫は、江戸時代中期の薩摩藩士で、宮之城島津家第8代当主です。宝永7年（1710年）に島津家家臣である島津久方の子として生まれました。母は先々代当主の久洪の娘です。

家系

宮之城島津家は、島津忠良の三男である尚久を初代とし、代々の当主が「図書」を通称としました。忠長の代から薩摩国宮之城を領地とした家柄です。

生涯

享保4年（1719年）に父久方の死去により家督を相続しました。元文元年（1736年）には、薩摩藩の前藩主である島津吉貴の子、知之助（後の久亮）を養子に迎えます。この養子縁組が、宮之城家の家格上昇に大きく影響することになります。

元文3年（1738年）、宮之城家の家格は、宗家、一門家に次ぐ「大身分」へと引き上げられました。これは、藩主の弟を知之助を養子に迎えたことが主な要因とされています。

寛保2年（1742年）、久倫は隠居し、婿養子である久亮に家督を譲りました。明和3年（1767年）12月13日に59歳で亡くなっています。実子の久濃は、久亮の跡を継ぎ、宮之城島津家10代当主となりました。

人物

久倫の時代に宮之城家の家格が上昇したことで、宗功寺墓所にある当主の墓は、それまでのものよりも大きな規模で建立されるようになりました。これは、宮之城家の勢力拡大を示す象徴的な出来事といえるでしょう。

参考文献

長崎省吾関係文書 平田四郎兵衛〔他〕『宮之城島津家事績』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
林匡「島津氏一門家の成立--越前(重富)島津家を中心に」

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