島津久方 (宮之城家)

島津久方

島津久方（しまづ ひさかた）は、江戸時代前期の薩摩藩士で、宮之城島津家第7代当主です。

家系

宮之城島津家は、島津忠良の三男である尚久を祖とする家系です。代々「図書」を通称とし、忠長以降は薩摩国宮之城を領していました。この家は、島津宗家を支える重臣の家柄として、重要な役割を担っていました。

生涯

元禄5年（1692年）、島津久方は薩摩藩の前藩主である島津綱貴の五男として、江戸の薩摩藩上屋敷で生まれました。母は於登代（江田国重の娘）です。宮之城島津家の当主であった島津久洪には男子がいましたが、夭折していたため、久方は愛壽丸という幼名で養子として迎えられました。

元禄14年（1701年）、養父である久洪の死去に伴い、久方は宮之城島津家の家督を相続し、第7代当主となりました。

正徳元年（1711年）8月、藩主であり実兄でもある島津吉貴に謁見しました。この際、吉貴は久方に対し、「宮之城島津家は、五代にわたり島津宗家を支えてきた重臣の家柄であり、直言を厭わない忠臣である。先代の藩主があなたを養子としたのもそのためである。日夜文武に励み、父祖伝来の家業を継ぐように」と訓示しました。

正徳2年（1712年）10月、藩の家格整備が行われ、宮之城島津家は一所持と定められました。これは、宮之城島津家が藩内において重要な地位を占めていたことを示しています。

享保4年（1719年）5月20日、島津久方は29歳という若さでこの世を去りました。短くも、藩主からも将来を嘱望される人物でした。

参考文献

* 長崎省吾関係文書 平田四郎兵衛〔他〕『宮之城島津家事績』 - 国立国会図書館デジタルコレクション

もう一度検索