島津久福

島津久福（しまづ ひさとみ）

島津久福は、江戸時代末期の薩摩藩における重臣で、知覧島津家の21代当主です。知覧島津家は島津氏の分家であり、一所持の家格を有していました。佐多と知覧を所領としていました。

生涯

文化10年（1813年）に、父である島津久典が讒言によって隠居させられるという出来事があり、翌年にはその跡を継いで知覧島津家の当主となりました。天保5年（1834年）には参勤交代で江戸に赴き、2年余りを江戸で過ごしました。嘉永4年（1851年）には若年寄に抜擢され、藩政において重要な役割を担うようになります。

嘉永6年（1853年）には、ペリーが来航するという未曽有の事態が発生します。この時、藩主である島津斉彬の命を受け、再び江戸へ出府し、その後3年の間、幕府との対応や情報収集に奔走しました。久福は、この時期の薩摩藩にとって、非常に重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。

安政3年（1856年）には家老に就任し、藩政の中枢を担います。斉彬の養女である篤姫が右大臣近衛忠煕の養女となる際には、久福の名前が公式な記録にも見られるようになります。安政5年（1858年）に斉彬が亡くなると、幕府への報告使者を務め、その死を幕府に伝えました。その後、後継の藩主である島津茂久にも引き続き仕え、安政6年（1859年）には御軍役掛にも就任するなど、藩の軍事面においても重要な役割を果たしました。

しかし、文久3年（1865年）には家老職を辞任し、この頃に嫡男である久徴に家督を譲り、知覧島津家の当主の座を退きました。

久福は、藩主である島津斉彬の信任が厚く、その側近として、幕末の動乱期における薩摩藩の舵取りに大きく貢献した人物の一人であると言えるでしょう。

登場作品

テレビドラマ

* 『篤姫』（2008年、NHK大河ドラマ、演：長沢大）

このドラマでは、島津久福は、篤姫を支える薩摩藩の重臣の一人として描かれています。

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