島田和久

島田和久

島田和久（しまだ かずひさ、1962年4月27日 - ）は、日本の防衛官僚です。神奈川県出身で、神奈川県立横浜翠嵐高等学校を経て、慶應義塾大学法学部を卒業しました。

人物

島田氏は、第二次安倍内閣において、安倍晋三首相の秘書官を6年半以上という異例の長期間務めた、最側近の一人として知られています。防衛省に戻ってからは、官房長を経て、わずか1年で防衛事務次官に昇りつめました。

安倍元首相からの信頼は非常に厚く、「島田君は本当に誠実で優秀だ」と評されていたと伝えられています。しかし、その後の人事を巡っては、様々な動きがありました。

安倍元首相の弟である岸信夫防衛大臣が、島田氏の事務次官続投を官邸側に要望しましたが、官邸側は「就任2年での交代は慣例」として、島田氏の事務次官退任を決定しました。この決定に対し、安倍元首相は岸田文雄首相に人事案の取り消しを直談判しましたが、岸田首相は「もう決まっていることだ」として、安倍元首相との間に溝があることが改めて浮き彫りになりました。

事務次官退任後は、国家安全保障戦略など戦略3文書の改定作業が控えていたことから、岸防衛大臣の判断で防衛大臣政策参与兼防衛省顧問に就任しました。しかし、岸田首相が内閣改造を行い、岸大臣が退任したことに伴い、後任の浜田靖一防衛大臣の指示で、島田氏はわずか1ヶ月で参与を退任することになりました。その後、間もなく内閣官房参与（防衛政策担当）に任命され、防衛政策に携わっています。

略歴

以下に島田氏の略歴をまとめます。

1985年（昭和60年）4月：防衛庁入庁
1985年（昭和60年）4月：防衛庁防衛局調査第2課総括・分析班
1990年（平成2年）4月：防衛庁装備局管理課部員
1992年（平成4年）5月：防衛庁防衛局防衛課年度班部員
1992年（平成4年）7月：防衛庁防衛局計画課計画第2班部員
1994年（平成6年）4月：防衛庁防衛局計画課計画第2班長
1995年（平成7年）8月：防衛庁長官官房総務課部員
1997年（平成9年）7月：防衛庁長官官房法規課部員
1998年（平成10年）6月：防衛庁防衛局計画課部員
2000年（平成12年）8月：防衛庁長官官房企画官
2000年（平成12年）8月：（兼）防衛庁長官官房秘書課
2001年（平成13年）7月：（解）防衛庁長官官房秘書課
2001年（平成13年）7月：防衛庁技術研究本部総務部会計課長
2003年（平成15年）4月：防衛庁防衛局防衛政策課事態対処法制室長
2005年（平成17年）8月：防衛庁防衛局調査課長
2006年（平成18年）7月：防衛庁防衛政策局調査課長
2007年（平成19年）9月：防衛省防衛政策局防衛計画課長
2009年（平成21年）8月：内閣官房内閣参事官（内閣官房副長官補付）
2011年（平成23年）8月：防衛省防衛政策局防衛政策課長
2011年（平成23年）8月：（兼）防衛省防衛研究所企画室長
2011年（平成23年）9月：（解）防衛省防衛研究所企画室長
2012年（平成24年）9月：防衛省大臣官房審議官
2012年（平成24年）10月：防衛省地方協力局次長
2012年（平成24年）12月：内閣官房内閣審議官（内閣総務官室）
2012年（平成24年）12月：内閣総理大臣秘書官
2019年（令和1年）7月：防衛省大臣官房長
2020年（令和2年）8月：防衛事務次官
2022年（令和4年）7月：退官、防衛大臣政策参与
2022年（令和4年）7月：（兼）防衛省顧問
2022年（令和4年）8月：（免）防衛大臣政策参与
2022年（令和4年）9月：内閣官房参与（防衛政策担当）
2023年（令和5年）7月：（免）防衛省顧問
2023年（令和5年）9月：（免）内閣官房参与

著書

島田氏は以下の書籍を共著で執筆しています。

『国防の禁句　防衛「チーム安倍」が封印を解く』（産経セレクト、2024年）、岩田清文・武居智久 共著

外部リンク

* 防衛事務次官 島田和久

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