武居智久

武居智久：海上自衛隊の要職を歴任した人物

武居智久（たけい ともひさ）は、1957年1月12日生まれの日本の海上自衛官です。長野県出身で、第32代海上幕僚長を務めました。彼の経歴と業績について詳しく見ていきましょう。

生い立ちと自衛隊入隊

長野県諏訪清陵高校を卒業後、防衛大学校に進学し、1979年3月に海上自衛隊に入隊しました。入隊後は、主に艦艇勤務や海上幕僚監部での勤務を重ね、その能力を発揮しました。

要職歴任

武居氏は、統合幕僚監部指揮通信システム部長、海上幕僚監部防衛部長、大湊地方総監、横須賀地方総監など、数々の要職を歴任しました。これらの経験を通じて、海上自衛隊の運営と防衛戦略に深く関わってきました。

海上幕僚長としての活動

2014年10月14日、武居氏は第32代海上幕僚長に任命されました。在任中には、海自艦による米艦防護を可能とする安全保障関連法が施行されたほか、海洋進出を強める中国を念頭に、フィリピンへの海自航空機の貸与を推進するなど、安全保障体制の環境整備に尽力しました。これらの活動は、日本の安全保障にとって重要な貢献となりました。

レジオンドヌール勲章受章と退官

2016年11月15日、武居氏は現役自衛官として初めてレジオンドヌール勲章オフィシエを受章しました。これは、彼の国際的な貢献を称えるものです。しかし、同年12月には次期多用途ヘリの機種選定を巡る不適切な発言により訓戒処分を受け、12月22日付で退職しました。

米海軍大学校教授への就任

退官後の2017年4月17日、武居氏は海自出身者として初めて米海軍大学校の教授に就任しました。3年間の任期中、海幕長として取り組んだ安全保障面での多国間協力などをテーマに講義を行う予定です。また、米海軍制服組トップのジョン・リチャードソン海軍作戦部長の特別フェローにも就任し、日米安全保障体制などについても助言を行っています。

その後の活動

2021年には日本国際問題研究所の客員研究員に就任し、引き続き日本の安全保障に関わる活動を続けています。

年譜

1979年3月：防衛大学校卒業、海上自衛隊入隊
1993年7月：2等海佐
1994年3月：護衛艦「あさかぜ」砲雷長兼副長
1995年3月：海上幕僚監部防衛部防衛課
1997年3月：護衛艦「いしかり」艦長
1998年1月：1等海佐に昇任
1999年8月：海上幕僚監部防衛部防衛課
1999年12月：海上幕僚監部防衛部防衛課防衛班長
2001年4月：第1護衛隊司令
2002年9月：海上幕僚監部防衛部装備体系課
2002年12月：海上幕僚監部防衛部装備体系課長
2004年8月：海将補に昇任、海上幕僚監部監理部副部長
2006年3月：統合幕僚監部指揮通信システム部長
2007年9月：呉地方総監部幕僚長
2008年3月：海上幕僚監部防衛部長
2010年7月：海将に昇任、大湊地方総監
2011年8月：海上幕僚副長
2012年7月：横須賀地方総監
2014年10月：海上幕僚長
2016年11月：レジオンドヌール勲章オフィシエ受章
2016年12月：退官
2017年4月：米海軍大学校教授、米海軍作戦部長特別フェロー

著作

武居氏は、以下の書籍を共著しています。

『自衛隊最高幹部が語る 令和の国防』
『自衛隊最高幹部が語る 台湾有事』
『君たち、中国に勝てるのか 自衛隊最高幹部が語る日米同盟VS.中国』
『国防の禁句 防衛「チーム安倍」が封印を解く』

また、以下の書籍を監訳しています。

『中国の海洋強国戦略 グレーゾーン作戦と展開』
『中国海軍vs．海上自衛隊 すでに海軍力は逆転している』

栄典

レジオン・オブ・メリット・オフィサー（2011年）
レジオンドヌール勲章オフィシエ（2016年）

武居智久は、海上自衛隊の要職を歴任し、日本の安全保障に大きく貢献した人物です。彼の経験と知識は、今後も様々な分野で活かされるでしょう。

もう一度検索