島袋俊夫

島袋 俊夫

島袋 俊夫（しまぶく としお）は、1952年（昭和27年）10月26日に琉球政府時代の具志川市（現在の沖縄県うるま市天願）で生まれた日本の政治家です。沖縄国際大学短期大学部経済科を1976年（昭和51年）3月に卒業しました。地方政治の世界に身を置き、うるま市とその前身自治体において、長年にわたり市政に貢献しました。具志川市議会議員を4期務めた後、うるま市議会議員を1期務め、さらに沖縄県うるま市長として3期にわたり市政のかじ取りを担いました。また、沖縄県内の9つの市の保守系市長によって組織された市長連合「チーム沖縄」の主要なメンバーとしても活動しました。

地方政治家としての歩み

島袋氏は、1990年（平成2年）に具志川市議会議員として政界入りを果たしました。具志川市が2005年（平成17年）4月1日に石川市、勝連町、与那城町と合併してうるま市が誕生するまで、市議会議員を4期務めました。合併により具志川市が消滅した後も、引き続きうるま市議会議員となり、同年10月8日に行われた市議会議員選挙で当選し、議員としての活動を続けました。

うるま市長としての活動

議員としての経験を積んだ後、島袋氏はうるま市のリーダーを目指しました。2009年（平成21年）4月19日に執行されたうるま市長選挙に、自由民主党の推薦を受け、無所属候補として立候補しました。この選挙では、他の新人候補3人を退けて初当選を果たし、同年5月15日に第2代うるま市長に就任しました。

2013年（平成25年）4月の市長選挙では、他に立候補者がいなかったため無投票で2期目の当選を果たしました。

さらに、2017年（平成29年）4月23日に行われた市長選挙では、8年ぶりに選挙戦となりましたが、社会民主党、日本共産党、沖縄社会大衆党、自由党、民進党の推薦を得た前県議会議員を破り、3期目の当選を果たしました。長きにわたり、市政運営の中心を担いました。

政治姿勢と「チーム沖縄」

島袋氏は、沖縄県内の保守系市長で構成される市長連合「チーム沖縄」の一員として、他の自治体首長と連携して県政や国の政策に対して意見を表明することもありました。特に、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票に関しては、その政治姿勢が注目されました。

2019年（平成31年）1月18日、島袋氏は、この県民投票について正式に不参加を表明しました。これは、「多様な意思を表現できない投票制度は表現の自由の侵害ではないか」との考えに基づき、投票の選択肢を「賛成」「反対」の2択から「4択とするよう再検討してほしい」と主張したことによるものです。島袋氏の不参加表明は、「チーム沖縄」のメンバーである宜野湾市、宮古島市、沖縄市、石垣市の市長による不参加表明に続くものでした。これにより、不参加を表明した5市の有権者は沖縄県全体の約3割に及び、県民投票の実施そのものや、その投票結果の代表性について影響が危惧される事態となりました。

政界引退と受章

うるま市長として3期目の任期を終えようとしていた2020年（令和2年）10月18日、島袋氏は病気治療に専念するため、翌年の市長選挙には立候補しないことを明らかにしました。これにより、約30年にわたる地方政治家としてのキャリアに区切りをつけることとなりました。

政界を引退した後、長年の地方自治への貢献が評価され、2022年（令和4年）11月3日には、秋の叙勲において旭日中綬章を受章しました。

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