崇久寺

崇久寺（そうきゅうじ）

福岡県柳川市東蒲池に位置する崇久寺は、臨済宗妙心寺派に属する寺院で、著名な十一面観音を本尊として祀っています。この寺は、歴史的な背景と文化的な財産に富んでおり、地域のシンボル的な存在となっています。

歴史

崇久寺の歴史は、鎌倉時代末期に遡ります。寺の伝承によると、円爾の弟子である南山士雲がこの地に寺を開いたとされています。その後、崇久寺は後醍醐天皇の勅願寺となり、王政復古の大号令において重要な役割を果たしました。

南北朝時代の混乱により、寺は幾度となく火災に見舞われましたが、著名な武将である足利尊氏や、10代当主の蒲池久憲によって再建されました。文亀年間には、14代当主蒲池治久が寺の修築及び改築を行い、その後も蒲池氏の代々の菩提寺として重要な役割を果たし続けました。

元々は広大な境内を持ち、塔頭八箇寺を含む規模を誇っていましたが、当初の名称は長福寺でした。享禄年間に蒲池治久の法号に因んで宗久寺に改名され、その後、崇久寺となったと言われています。蒲池氏の全盛期には、その家臣たちの墓碑が3千基も並んでいたという記録があります。

17代当主の蒲池鎮漣が肥前にて龍造寺隆信に暗殺された際、龍造寺氏による襲撃があり、寺は徹底的に破壊されました。仏像や文化的な文書は多くが焼却され、廃棄されましたが、奇跡的に一部の文化財は現存しています。このように、崇久寺は多くの歴史的事件を経て、現在に至っています。

江戸時代の延宝九年の記録において、崇久寺は柳河藩内において22位に位置づけられていたことが示されています。また、幕末において、蒲池鎮漣の娘の子孫である窪田鎮勝が徳川幕府の西国郡代として日田に赴任する際、崇久寺を訪れた際の記録も残されています。これは地域の歴史を語る際に興味深い事例と言えるでしょう。

文化財

崇久寺にはいくつかの重要な文化財が存在し、特に以下の像が柳川市の指定有形文化財に認定されています。木造の十一面観音坐像や木造増長天像、木像の多聞天像がその一例です。また、南山士雲の坐像も市の有形文化財として重要視されています。

境内には蒲池氏一族に関する多くの墓碑があり、蒲池鑑盛や蒲池徳子など、歴史的人物の存在が感じられる場所でもあります。これらの文化財や墓碑は、崇久寺の文化的・歴史的な価値をさらに高めており、地域社会にとって貴重な遺産です。

関連項目

• - 蒲池氏
• - 西念寺 (福岡県広川町)
• - 良清寺

外部リンク

• - 柳川市文化財

崇久寺はその歴史の深さと文化財の重要性から、多くの人々にとって訪れる価値ある場所であり、地域の歴史を学ぶ上でも欠かせない存在です。

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