良清寺

良清寺（りょうせいじ）

良清寺は、福岡県柳川市西魚屋町に位置する浄土宗の寺院です。この寺は、柳川藩の初代藩主である立花宗茂が、正室である誾千代（ぎんちよ）を弔うために建立しました。誾千代は、戦国時代の武将・立花道雪の娘であり、その勇猛さと美貌で知られています。良清寺という寺名は、誾千代の院号である「光照院殿泉誉良清大禅定尼」に由来しており、彼女の菩提を弔うための寺であることが強く示されています。

開基と開山

良清寺の開基（設立者）は、立花宗茂自身です。宗茂は、誾千代への深い愛情と敬意から、この寺を建立しました。一方、開山（初代住職）は応誉（おうよ）という僧侶です。応誉は、戦国時代の柳川城主であった蒲池鑑盛（かまちあきもり、別名：蒲池宗雪）の三男・蒲池統安（かまちむねやす）の次男であり、山門郡瀬高上荘の来迎寺の第4世住職を務めていました。宗茂は、応誉の徳を慕い、彼を良清寺の初代住職として迎えました。

歴史

良清寺は、元和7年（1621年）に応誉を招いて建立されました。これは、宗茂が誾千代の霊を弔うための強い意志によるものでした。柳川藩の分限帳である『忠茂公御代之分限帳』（万治3年（1660年））には、「同（高）30石 柳川町分 良清寺」と記載されており、また、『寺社領並諸合力米』（延宝九酉年（1681年））にも「（同）高30石 良清寺」と記されています。これらの記録から、良清寺は柳川藩内で寺社として第5位という高い位置づけであったことがわかります。

住職家

良清寺の住職は、応誉の子孫が代々務めました。また、彼らは還俗して蒲池氏を再興し、藩士として寺を守り続けました。江戸時代には、良清寺は立花氏と蒲池氏のゆかりの寺として特別な存在であり、寺を預かる蒲池家は、立花家の家老格に相当する待遇を受けていたとされています。幕末には、徳川幕府最後の西国郡代であった旗本の窪田鎮勝（蒲池鎮克）が、先祖である蒲池氏本家の菩提寺である崇久寺を参った際、良清寺の蒲池家の一員で柳川藩士の蒲池鎮之と面談したという記録も残っています。

良清寺は、柳川藩の蒲池家の菩提寺としての役割も担っており、現在もその子孫である蒲池家や親族が住職を務めています。また、歌手の松田聖子（蒲池法子）の生家の菩提寺としても知られており、その一族との深い繋がりが伺えます。

交通アクセス

良清寺へは、西鉄天神大牟田線西鉄柳川駅から徒歩でアクセスできます。柳川観光の際には、歴史と文化を感じられる場所として、ぜひ訪れてみてください。

参考文献

『柳川歴史資料集成第3集・柳河藩分限帳』1998年

関連項目

立花氏
蒲池氏

外部リンク

立花壱岐ゆかりの歴史散歩・良清寺 - ウェイバックマシン（2007年8月28日アーカイブ分）

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