崇善寺

崇善寺

崇善寺は、中華人民共和国山西省太原市迎沢区に位置する仏教寺院です。その歴史は唐代に遡り、数々の変遷を経て現在に至ります。

歴史

崇善寺は、唐代に創建され、当初は白馬寺と称されていました。宋代には延寿寺と改称され、その後、現在の崇善寺という名前に変わりました。明代の洪武14年（1381年）には、朱元璋の三男である晋王・朱棡が、母である馬皇后を祀るために崇善寺を再建しました。この再建によって、崇善寺は王室の庇護を受ける重要な寺院としての地位を確立しました。

しかし、清代の同治2年（1864年）に火災が発生し、大悲殿を除く伽藍が焼失してしまいました。その後、光緒6年（1881年）には、張之洞によって旧跡に孔子廟が建立されました。これにより、崇善寺の境内には仏教と儒教の施設が共存する形となりました。

1983年、中華人民共和国国務院は崇善寺を漢族地区仏教全国重点寺院に認定しました。これは、崇善寺が中国仏教において重要な役割を果たしていることを示すものです。2013年3月5日には、大悲殿が全国重点文物保護単位に指定され、その文化的価値が改めて評価されました。

伽藍

崇善寺の伽藍は、山門、鐘楼、鼓楼、大雄宝殿、大悲殿、法堂、伽藍殿などで構成されています。

山門前には、明の洪武年間に建立された一対の鉄獅子が鎮座しています。これらの鉄獅子は、寺院の守護神として、長い年月を見守り続けています。

大悲殿は明代に建立され、殿内には3体の菩薩像が安置されています。中央には千手千眼観音、左には文殊菩薩、右には普賢菩薩が祀られており、これらの像は明代の貴重な仏教芸術作品として高く評価されています。

伽藍殿には、関羽・関平・周倉の像が安置されています。これらの像は、三国志に登場する英雄たちであり、武神として崇められています。崇善寺では、仏教の信仰とともに、これらの英雄たちも祀られているのです。

崇善寺は、その長い歴史の中で、様々な変遷を経験してきました。しかし、現在もなお、その美しい伽藍と貴重な仏教芸術作品を通じて、多くの人々に心の安らぎを与え続けています。

脚注

参考文献

* 張馭寰 (2012). “明代的皇家祖廟：太原崇善寺” (中国語). 『図解中国著名仏教寺院』. 北京市: 当代中国出版社. p. 103. ISBN 978-7-5154-0135-5

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