崇道天皇神社

崇道天皇神社について

崇道天皇神社（すどうてんのうじんじゃ）は、日本各地に分布する神社で、主祭神は早良親王（崇道天皇）です。この神社は、特に奈良から西日本を中心に広がっています。崇道天皇社や崇道神社といった異なる名称で呼ばれることもあり、「ソウドウ」と読むことから宗道神社（そうどうじんじゃ）、惣戸神社（そうどじんじゃ）などとも表記されることがあります。

由緒と歴史

早良親王は、藤原種継の暗殺に連座し、淡路国へ流された後、亡くなったとされています。このことから、彼の霊は人々に災厄をもたらしたとされ、彼を祀る神社は御霊社としての役割を果たしています。早良親王の遺骸は後に大和国八島に改葬され、そこにあった八島陵は1886年（明治19年）まで崇道天皇社が存在し、彼の霊を慰める場とされていました。

また、崇道天皇社の成立には地域性が強く影響したと考えられます。例えば、奈良市西紀寺町の崇道天皇社は、南都御霊会で用いられていた神輿の一つ、崇道天皇の神輿舎があった場所に位置しています。

地方、特に山陽地方に見られる崇道神社やソウドウ社の成立由来には、延暦24年（805年）に朝廷から各郡に設けた「崇道天皇御倉」が挙げられます。この倉は、早良親王の霊を鎮めるために正税として初穂を納める場所であり、のちに倉の廃止と共に神社としての形を取るようになったと言われています。

逆に、崇道神社と名乗りながら早良親王を祀らない例も存在します。たとえば、嘉吉元年（1441年）の『興福寺官務牒疏』によると、山城国相楽郡にあった崇道天王神社の祭神は舎人親王であり、これは舎人親王の名が崇道尽敬皇帝に由来するために生じた誤解と見られています。

各地の崇道天皇社

崇道天皇神社は全国各地に点在しており、主なものを以下に示します。

• - 茨城県

- 宗道神社（下妻市）: 主祭神は建速須佐男命

• - 京都府

- 崇道神社（京都市左京区）

• - 奈良県

- 崇道天皇社（廃社、奈良市八島町）: 崇道天皇陵上にあった神社。
- 崇道天皇社（奈良市西紀寺町）
- 崇道天皇神社（奈良市出屋敷町）
- 崇道天皇神社（奈良市神殿町）
- 崇道天皇神社（奈良市北永井町）
- 崇道神社（御所市櫛羅）

• - 兵庫県

- 崇導神社（揖保郡）: 主祭神は舎人親王
- 崇道天皇神社（たつの市）
- 総道神社（宍粟市）: 主祭神は猿田彦神

• - 岡山県

- 宗道神社（津山市）
- 加茂神社（津山市）: 往古「杉大明神社」として知られ、崇道天皇社に改称した。

• - 広島県

- 惣戸神社（福山市）
- 崇堂神社（福山市）: 主祭神は岡志摩守景勝
- 惣堂明神社（福山市）: 主祭神は足利義昭
- 崇道神社（神石郡）

これらの神社は、各地に存在しつつも、それぞれが早良親王に対する信仰を通じて地域文化の一部として重要な役割を果たしています。

結論

崇道天皇神社は、日本の神社の中でも特に歴史的・文化的な意義を持つ神社であり、早良親王の霊を敬う人々によって今なお守られ続けています。

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