崔益鉉

崔益鉉について

崔益鉉（チェ・イッキョン）は、1834年1月14日生まれで、1907年1月1日に亡くなった李氏朝鮮末期の著名な儒学者かつ政治家です。彼は京畿道抱川に生まれ、慶州崔氏を本貫としています。崔益鉉は、特に保守的な国粋主義者として知られ、衛正斥邪運動や抗日義兵闘争の指導者としても名を知られています。

句は賛謙で、号は勉庵という。彼の人生の大部分は、李氏朝鮮の政治情勢と深く結びついています。若き頃、彼は14歳で李恒老の下で朱子学を学び、1855年に文科に合格し官途に入りました。その後、彼は政治生命の中で多くの重要な役割を果たしていきます。

特に1873年に戸曹参判となり、国王高宗の父である興宣大院君の財政政策や鎖国攘夷政策を批判する上疏を提出しました。これにより大院君失脚のきっかけを作ったものの、崔益鉉はその後2年間、済州島に流刑されることになります。彼の批判は、政策自体の問題だけでなく、その方法論にも起因していましたが、鎖国攘夷の立場は明確で、1876年には日朝修好条規の締結に反対し、強い態度を示しました。

その後、彼は宮廷前に斧を持って現れ、開国通商の危険性を力説しました。しかし、この過激な行動は日本の当局に目をつけられ、黒山島に再度流される結果となります。流罪から解放された後も、彼は甲午改革や断髪令に反対する姿勢を崩さず、1896年及び1898年には再出仕の要請を受けるものの、またもや辞任しています。

後の第二次日韓協約直前、彼は高宗の要請に対し応じざるを得なかったものの、その後、独立運動家として日本政府に捕えられ、漢城から追放されました。1906年6月、彼は全羅北道泰仁で義兵を挙げましたが、日本陸軍に捕まり、対馬に連行され、軟禁状態となります。この対馬での出来事が彼の運命を大きく揺るがしました。

対馬における拘留初日、彼は日本軍司令から、国王から授かった冠を脱ぐように命じられましたが、「国王からの授かり物を脱ぐわけにはいかない」としてこれを拒否し、抗議のための断食を開始します。この行動は、日本側に大きな衝撃を与えました。彼は絶食死の覚悟を決め、遺書までも書くほどでしたが、最終的に日本軍司令がその行動を懸念し、命令を撤回しました。

崔益鉉の信念は、不屈の精神を象徴するものであり、その後の彼の業績や発言は、遺族や弟子たちによって広まることとなります。特に彼の著作『勉庵崔先生全書』には、「海外日記」や彼の遺書、さらに彼が国王に宛てた遺疏も含まれています。彼の思想や理念は、その死後も独立運動において重要な影響を及ぼしました。

崔益鉉の死後、彼の著作はすべて焚書され、所持も禁じられましたが、それでも地下で広まったとされています。1989年にはその全集が発行され、彼の思想や信念が再評価される時代を迎えました。

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