崔領二

崔領二（さい りょうじ）

崔領二（チェ・ヨンイ）は、1980年6月3日生まれの韓国のプロレスラーです。出身は大阪府大阪市で、実の兄には総合格闘家のRYOがいます。プロレス界での彼の人生は、様々な試練と復活を経て築かれてきました。

来歴

15歳でイギリスへ留学し、ハイスクールを卒業後はオランダで格闘技の技術を磨きました。日本帰国後、プロレスリングZERO-ONEに入り、2001年9月1日にイゴール・メインダートとの試合でプロレスデビューを果たしました。しかし、2002年から2004年にかけて内臓疾患に悩まされ、長期欠場を余儀なくされます。この時期は辛い思いをしながらも、できる範囲でのトレーニングを続けていました。

復帰後は同じ団体の佐藤耕平とタッグを組み、2004年にNWAインターコンチネンタルタッグ王座を獲得。精神的には困難な時期もありましたが、周囲の支えもあり、徐々に実力を取り戻しました。また、ハッスル団体にも参加し、「ハッスル崔ボーグ」のニックネームで親しまれました。2005年には坂田亘率いる坂田軍に加入し、新生ハッスル軍の一員となります。この頃、試合中に「ジャン」と呼ばれるニックネームが観客から飛ぶ場面もありました。

その後も若手選手としての地位を確立し、新日本プロレスでは山本尚史というライバルに挑むなど、多方面で活躍。2006年には火祭りトーナメントで兄の佐藤耕平に勝利したことで注目を集めました。

知名度の向上

2007年には和歌山県の観光大使に就任し、得意技「那智の滝」にちなみプロレスイベントを開催。さらに2008年にはテレビ番組『あいのり』の出演者としても知られるようになり、その後すぐにZERO1に復帰しました。

2009年にはZERO1の靖国神社大会で世界ヘビー級王座を獲得したものの、すぐに同タイトルを田中将斗に明け渡します。しかし同年の火祭りでライバルを下し、初優勝を果たします。特に2014年には火祭りでKAIを下しての優勝が大きな話題となり、その後も佐藤耕平と鈴木秀樹との3WAYマッチで勝利するなど、彼の名前は一層広まりました。

プロデュース活動

2015年には新プロジェクト「プロレスリングLAND'S END」を発足。この活動では、海外発信を視野に入れた大会を企画し、韓国やイギリス、日本でもイベントの開催を目指しています。2016年には全日本プロレスや大日本プロレスに参戦し、プロレスリングLAND'S ENDの講演を続けています。

技とスタイル

崔のファイトスタイルは反骨精神にあふれ、彼の得意技は地域名に由来するものが多いです。主なフィニッシュ・ホールドである「シドマス」は、彼のイギリス留学時代にちなむ技名です。それに加え、数々の打撃技や投げ技も取り入れ、多彩な技で対戦相手を翻弄します。特に「那么多」というスカイキックや、サッカーボールキックは観客からも好評を博しています。

人物背景とマルチな才能

崔領二は、日本で育った在日韓国人3世としても知られています。また、英語での通訳も得意とし、テレビ番組『あいのり』では現地の人々とのコミュニケーションにも貢献しています。さらには、AKB48のミュージックビデオに出演し、意外な一面も披露しました。

崔領二の足跡は、困難を乗り越えた挑戦と成功の連続であり、今後もプロレス界でさらなる活躍が期待されます。

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