嶋田洋一 (俳人)

嶋田 洋一の生涯と俳句活動

嶋田 洋一（しまだ よういち、1913年11月7日 - 1979年10月26日）は、日本の著名な俳人であり、東京で生まれました。父は著名な俳人である嶋田青峰、そして叔父もまた俳人という家庭で育ちました。彼は早稲田大学に在学中、新たなる俳句の地平を切り開き、斬新な俳句活動を推進しました。

教育と俳句との出会い

洋一は第一東京市立中学校を経て、第二早稲田高等学院、そして早稲田大学に進学。中学校の時期には父が主宰する俳句雑誌『土上』の同人であった大沢若葉の影響で句作に励むようになりました。当初は作家を志望していましたが、やがて俳句の魅力に取り込まれ、真剣に俳人を目指す決意をしました。

『早稲田俳句』の創立

大学在学中の1933年、洋一は青峰を雑詠の選者に迎え、さらに水原秋桜子、山口誓子、日野草城という優れた作家の助けを借りて『早稲田俳句』を創刊しました。この雑誌は俳句の持つ新たな可能性を模索し、当時の都市風景を題材にした俳句を積極的に発表しました。

洋一はこの創刊にあたり、特定の主宰者を置かず、幅広い批評を行うスタイルを採用しました。しかし、1936年までの短い期間で終誌となりましたが、その活動は新興俳句運動に貢献したとされています。

新興俳句運動への参加

西東三鬼は洋一の才能に注目し、彼を新興俳句を推進する会に招待しました。この会議は「新俳話会」と名付けられ、月々の開催を通じて様々な議論が交わされ、派閥の枠を超えた協力が進められました。しかし、後に発生した俳句界の弾圧事件をきっかけに、彼はこのコミュニティから距離を置くことになったのです。

青峰の逮捕とその影響

1941年には新興俳句の弾圧事件が勃発し、父である青峰が逮捕される事態が発生しました。この背景には、洋一が編集に携わっていた俳句欄を巡る権力争いがあったとも考えられています。父の逮捕後も、洋一は他の作家たちに支援を求めましたが、面倒な事情から支援を得られず、最終的には自らその役割を退くこととなりました。

戦後の活動と衰退

戦後、俳句の創作から徐々に遠ざかりましたが、俳句雑誌に論文や評を寄稿するなどの活動は継続しました。彼は「青玄」と「東虹」という同人にも参加し、俳句の入門書を著するなど、後輩の指導にも携わっていました。

代表的な作品

洋一の作品には以下のような句があります：

• - 春雪の吸はるゝ水の昏れてゐる
• - メトロ出てそこより街の落葉踏む
• - 練馬区のトマト馬鈴薯夏青し
• - 夜半の頭を庭木擦りゆく青峰忌

著作

彼の著作には、俳句に関する入門書や研究論文などがあり、特に『俳句入門 つくり方と上達法』は多くの読者に支持されました。こうした活動を通じて、洋一は日本の俳句界における重要な存在となりました。

洋一の人生は、彼自身が追求した俳句の世界を通じて、多くの人々に影響を与え、今なお多くの俳句愛好者にとって、インスピレーションの源となっています。

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