川上テルヒサ

川上テルヒサ氏は、1973年11月14日に福井県福井市川西地区で誕生した、日本で活動するシンガーソングライターです。その音楽性は、パンクのエッセンスと演歌の情緒を融合させた「パンク演歌」と称されます。

地元福井で学生時代を過ごし、1989年3月に福井市川西中学校を卒業。続く1992年3月には、福井工業大学附属福井高等学校を卒業しました。

音楽活動への第一歩は、25歳となった1998年にギターを手にしたことから始まります。この頃、ロックバンド「キムチ」を結成し、バンドのギターボーカルとして活動しました。その後、2002年からはギター弾き語りスタイルでのソロ活動へと移行し、独自の音楽表現を追求していきます。

キャリアの大きな転換点となったのは、2004年、31歳での東京への移住です。福井から東京へ拠点を移し、より精力的に活動を展開するようになります。上京後間もない2005年には、森川陽一郎監督の映画『福井青春物語』に企画原案として参加。さらに、作品への出演を果たし、主題歌も担当するなど、クリエイターとして多角的な才能を発揮しました。この映画は、同年5月1日に映画祭で公開され、10月22日には劇場公開されています。また、同時期には小野寺昭憲監督の映画『福井青春革命』にも出演しています。

メディアからの注目も高まり、2006年4月7日にはNHK福井放送局のテレビ番組『金とく福井』の記念すべき第1回放送で特集されました。「東京で福井弁で歌うロックシンガー」として紹介され、地元福井ではゴールデンタイムに約20分間という異例の長さで取り上げられ、大きな反響を呼びました。同年9月5日には、福井県立丹生高等学校の文化祭にゲストとして招かれ、生徒たちの前でコンサートを行っています。

東京でのライブ活動は非常に精力的で、上京後は毎月1回から多い時には3回のペースで様々なライブハウスやイベントでパフォーマンスを続けてきました。こうした活動の中で、日本の音楽シーンにおいて重要な存在であるアーティストたちとの共演も実現しています。特に、2007年12月には遠藤ミチロウ氏と、2008年には三上寛氏とのジョイントライブを行っており、後者とのライブは八王子市芸術文化会館いちょうホールをはじめとする会場で行われました。

川上氏の作品には、故郷への深い愛情や人生への洞察が込められています。代表的な楽曲には、2003年に発表された「故郷」、2004年の「黄色い線の内側から」「生存率」、2005年の「言の葉」、そして2007年の「箱だより」などがあります。

音源としては、2006年にライブ音源を収めたアルバム『オマエに今から話すのは…』をリリース。また、2007年には複数のアーティストが参加したオムニバスCD『独唱パンク・オムニバスvol.4』にも楽曲を提供しています。

音楽活動に加え、俳優としても活動しており、前述の映画出演に加え、小野寺昭憲監督が手掛けた済生堂薬局小西本店のCF「ココロに染みる薬、あります。」にも出演経験があります。テレビ出演としては、NHK福井『金とく福井 アナタニトッテ福井ッテ何デスカ？』が特筆されます。

現在も公式ウェブサイト「今日も西のソラミツメ…」を通じて情報発信を行うなど、精力的に活動を続けており、その独特の歌声と表現力で多くのリスナーを魅了しています。

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