川上浩一

川上 浩一

川上浩一氏（かわかみこういち、1960年生まれ）は、日本の著名な遺伝学者および分子生物学者です。国立遺伝学研究所の教授をつとめています。東京大学で理学博士の学位を取得し、トランスポゾンを利用したトランスジェニックゼブラフィッシュの作製法を確立しました。彼の研究は、特にゼブラフィッシュの国際的な学会活動にも積極的に関与しており、ゼブラフィッシュ国際学会やゼブラフィッシュ疾患モデル学会の創設理事を歴任しました。さらに、彼は2020年から、学術誌eLifeの編集委員としても活動しています。

経歴

川上氏は和歌山県に生まれ、東京大学理学部生物化学科を卒業後、同大学院で博士課程を修了しました。その後、東京大学医科学研究所で助手として勤務し、さらにはマサチューセッツ工科大学のナンシー・ホプキンス研究室で博士研究員として研鑽を積みました。国立遺伝学研究所では助教授を経て教授に昇進し、アメリカ国立衛生研究所（NIH）からのプロジェクトで約901,870米ドルの研究費を獲得しました（2003-2007年）。

主な研究業績

川上氏の研究成果は数多く、以下のような重要な業績があります：

• - 2000年：脊椎動物におけるトランスポゾンの転移活性を明らかにしました。
• - 2004年：トランスジェニックゼブラフィッシュの作製法を開発し、生物医療分野での応用に寄与しています。
• - 2008年：Gal4-UAS法を用いてゼブラフィッシュの細胞操作法を確立しました。
• - 2013年：脳内の神経活動をリアルタイムでイメージングする技術を開発しました。
• - 2017年：食欲を制御する神経回路を発見し、神経科学に新たな視点を提供しました。
• - 2019年：魚類と哺乳類の睡眠パターンが似ていることを示す研究を発表しました。
• - 2020年：ゼブラフィッシュを用いたALS（筋萎縮性側索硬化症）モデルの開発に成功しました。

受賞歴

その優れた研究成果は、国際的にも高く評価されています。2021年には、クリスティアーネ・ニュスライン＝フォルハルト賞を受賞し、2023年には文部科学大臣から科学技術賞を受賞しました。これらの賞は彼の貢献と影響力を証明するものです。

研究資金

川上氏は、さまざまな研究資金を獲得し、研究活動を続けています。例えば、NIHからの資金提供プロジェクトの一環として、トランスポゾンを利用した遺伝的手法に関する研究が行われました。また、日本学術振興会からもトランスポゾンを用いた研究を推進するための基盤研究が支援されています。

まとめ

川上浩一氏は、ゼブラフィッシュ研究の重要な推進者であり、その学問的貢献は多岐にわたります。彼の業績は、現代の遺伝学や分子生物学の進展に大きな影響を与え続けています。

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