国立遺伝学研究所

国立遺伝学研究所

概要

国立遺伝学研究所は静岡県三島市に位置し、生命科学分野での中核的な研究機関として知られています。この研究所は情報・システム研究機構の一部であり、遺伝学や生命科学の先端的な研究に注力しています。また、大学院教育プログラムを提供しており、総合研究大学院大学生命科学研究科の遺伝学専攻があります。さらに、同研究所内には日本遺伝学会の事務局も併設されています。

国立遺伝学研究所は、バイオリソースやDNAデータバンク（DDBJ）、DNAシーケンシング事業など、生命科学を支える重要な事業を展開しています。特に、1950年代から収集した様々な稲の野生種を保管し、栽培している実績があります。この取り組みは、栽培種の起源を探る研究や、病害抵抗性や塩害耐性の強化を目指した品種改良（遺伝子編集を含む）に繋がっています。

さらに研究所内には約200種類の桜が植えられており、市民に親しまれている桜の名所としても評価されています。桜の季節には毎年4月に公開イベントが開催され、多くの人々が訪れ賑わいを見せます。

研究内容

国立遺伝学研究所では、分子レベルから生物の集団レベルに至るまで、広範な遺伝学の研究を実施しています。この研究は大腸菌からヒトまで幅広く行われ、理論研究と実験手法の両方を用いて進められています。例えば、分子進化の研究では、木村資生による中立説や太田朋子による「ほぼ中立説」といった理論が発展しています。

さらに、同研究所が提供するDDBJ（日本DNAデータバンク）では、塩基配列データベースやDRA（DDBJ Sequence Read Archive）など、研究者が利用できる様々なツールを無償で提供しており、多くの研究に貢献しています。

教員採用基準

国立遺伝学研究所における教員の採用は、通常の公募と異なり、国内外から各2名までの推薦者の連絡先を求められます。この取り決めは富澤純一所長の時代に導入されたもので、助教授は研究室を主宰する立場となります。さらに、研究室主宰者が定年退官した場合、研究室は解散し、所属する助教などが転出を促される仕組みになっています。

沿革

国立遺伝学研究所は1949年に文部省所轄の研究所として設置され、その後の歴代所長によって数々の研究と教育の発展が遂げられてきました。初代所長の小熊捍から始まり、1969年の森脇大五郎、第4代の田島彌太郎、第5代の松永英、第6代の富澤純一、第7代の堀田凱樹を経て、2004年から現在の法人形態に改組されました。近年は桂勲や花岡文雄が所長として指導し、新たな研究の展望を切り開いています。

ギャラリー

研究所構内では、美しい桜が植えられており、春には華やかな景観が広がります。多くの市民や研究者がこの風景を楽しみに訪れる瞬間は、研究所の魅力の一部となっています。

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