川井章知

川井章知：内務官僚、そして最後の官選静岡県知事

川井章知（かわい あきとも）は、1902年8月16日に生まれ、1987年11月2日に没した、日本の内務官僚であり、国会職員です。彼は特に、最後の官選静岡県知事として知られています。

生い立ちと初期の経歴

川井章知は神奈川県出身で、川井立の長男として生まれました。彼は第一高等学校を卒業後、1924年11月に高等試験行政科試験に合格。1925年には東京帝国大学法学部法律学科（英法）を卒業し、内務省に入省、茨城県属としてキャリアをスタートさせました。

内務官僚としての活躍

1935年、川井は山口県書記官・経済部長に就任。その後、千葉県労務部長、内務省計画局庶務課長、同省監査官、京都府内政部長、中国地方行政事務局次長など、数々の要職を歴任しました。これらの役職を通じて、彼は地方行政と国家行政の両面で豊富な経験を積み重ねました。

静岡県知事として

1947年3月、川井は小林武治の辞任に伴い、静岡県知事に就任しました。小林は知事選への出馬のために辞任しており、川井はその後任として県政を担うことになったのです。彼は県議会議員選挙や知事選挙などを執行し、同年4月に知事を退任しました。在任期間は短かったものの、戦後の混乱期における地方自治の確立に貢献しました。

知事退任後

静岡県知事を退任後、川井は衆議院社会労働委員会調査室長などを務め、国政の舞台でも活躍を続けました。彼の行政手腕と法律に関する深い知識は、国政においても高く評価されました。

晩年と受章

1972年11月、川井章知は長年の功績が認められ、勲二等瑞宝章を受章しました。これは、彼の行政官としての卓越した能力と、社会への貢献を称えるものです。

まとめ

川井章知は、内務官僚として、また最後の官選静岡県知事として、日本の行政に深く関わりました。彼の経歴は、地方行政から国政まで多岐にわたり、その手腕は高く評価されています。彼の足跡は、日本の近代行政史における重要な一ページとして、記憶されるべきでしょう。

参考文献
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
日外アソシエーツ編『ジャパン WHO was WHO 物故者事典 1983-1987』日外アソシエーツ、1988年。ISBN 4-8169-0763-7
「内務省、東京都、庁府県高等官職員録（昭和19年7月26日現在）」 アジア歴史資料センター Ref.A05020335200

もう一度検索