川崎修

川崎 修（かわさき おさむ）

川崎 修は1958年に和歌山県で生まれ、日本を代表する政治学者です。主に政治思想史の分野で業績を残しており、特にハンナ・アーレントに関する研究で知られています。彼は北海道大学および立教大学で教授として多くの学生を指導し、学問の発展に寄与してきました。

学歴と経歴

川崎氏は1977年に東京大学開成高等学校を卒業し、その後東京大学法学部に進学。1981年に卒業後、東京大学法学部で助手としてキャリアをスタートしました。その後、1985年には北海道大学法学部の助教授に就任し、1994年には教授に昇進しました。1998年からは立教大学法学部の政治学科にて教授として教鞭を執り、2013年から2015年まで同学部の学部長も務めました。

川崎氏は学問の分野だけでなく、教育界にも影響を与えており、福田歓一を指導教官としていたものの、実質的には佐々木毅から指導を受けていました。これらの学びが彼の後の研究に大きな影響を与えたことは間違いありません。

研究分野と著書

川崎氏の研究は、主に政治思想史に焦点を当てており、特にハンナ・アーレントの思想に深い探求を行っています。彼の著作には『アレント――公共性の復権』（講談社、1998年、新版2005年）や『ハンナ・アーレント』（講談社学術文庫、2014年）などがあり、これらはアーレントの政治理論を理解するための重要な文献となっています。さらに、『政治的なるものの行方』やアーレントに関する論集も手がけており、アーレントの思想を現代に照らし合わせて考察しています。

共同著作としては、1992年に小野紀明・富沢克との共著で『モダーンとポスト・モダーン』（木鐸社）を発表し、編著としては『伝える──コミュニケーションと伝統の政治学』を2012年に風行社から出版しています。

論文とその他の業績

彼の研究成果は著書のみにとどまらず、多数の論文にも表れています。例えば、「自由についての試論」（『立教法学』52号、1999年）や「自由民主主義――理念と体制の間」（年報政治学2001、岩波書店）など、さまざまな日本語文献に彼の思考が反映されています。また、彼はL・クリーガーらの著作『権威と反抗』（平凡社、1988年）の翻訳者でもあります。

川崎修の研究は、ハンナ・アーレントの思想を現代社会において再評価し、政治学の分野に新たな視点を提供するための重要な基盤となっています。彼の学びと教えは、政治学界にとどまらず、多くの学生や研究者に影響を与え続けていると言えるでしょう。

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