川崎城 (下野国)

川崎城の歴史と規模

川崎城（かわさきじょう）は、栃木県矢板市大字川崎にかつて存在した山城で、塩谷氏の本拠地として重要な歴史的意義を持っていました。築城は正治建仁年間（1199年～1203年）にさかのぼり、その後塩谷氏の居城として利用されていました。川崎城は、数世代にわたる塩谷氏のもとで地域の統治や防衛の拠点として機能してきました。

川崎城は文禄4年（1595年）2月8日に廃城となりましたが、別名として塩谷城や蝸牛城なども呼ばれ、地域の史跡としても指定されています。

歴代城主とその時代

川崎城の歴代城主には、塩谷朝業から隆綱までの藤姓塩谷氏が含まれます。この時期、川崎城には特に外敵からの侵攻がなく、比較的平穏な時代だったとされています。ただし、永禄3年（1446年）には宇都宮持綱による攻撃が試みられましたが、これは塩谷教綱が持綱を殺害した事件の報復とみられ、事実ではないとする説が強く存在します。

次に、重興塩谷氏の時代に入ると、那須氏との対立が重なり、川崎城は戦闘の舞台となることが多くなりました。特に、永禄7年（1564年）には敵に侵入を許し、城は一度落城しました。さらに、永禄9年（1566年）に義綱が再度攻撃を試みるも、外部からの援軍があり、落城には百日以上を要することとなりました。このエピソードは、川崎城の堅固さを示すものとして語り継がれています。

城の構造と規模

川崎城の規模については、南北約1km、東西約200mの長細い城であり、主郭周辺は特に蝸牛城と称される独特の構造を持っていました。主郭は南端に位置し、時代を経るごとに北へと城郭が拡張され、新たに水の手曲輪や独立した新城といった区画が形成されていました。

川崎城の周囲には、的場山と呼ばれる山や、幸岡城といった他の城郭も存在しており、様々な見方が城の一部としての考察を促しています。また、川崎よりも南にある堀江山城も一部と見なされる場合がありますが、歴史的な経緯や別の城代が置かれていたため、独立した存在として捉えることが一般的です。

廃城の理由

川崎城の廃城については、天正18年（1590年）の小田原征伐に関連する説明が多いです。城主の塩谷義綱が直接参陣しなかったため、改易となったという説がありますが、義綱は上洛時に恭順の意を示しており、正確な当時の事情を考慮すると、廃城の時期が永禄4年（1595年）2月8日であることが一つの根拠とされています。

川崎城は、日本の中世における重要な城の一つであり、地域の歴史や文化に強く根付いた存在でした。

参考資料

• - 矢板市史
• - ふるさと矢板のあゆみ（矢板市刊行物）

関連項目

• - 日本の城一覧

外部リンク

• - 川崎城跡公園

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