川崎飲料

川崎飲料株式会社

会社概要

川崎飲料株式会社（かわさきいんりょう）は、日本の清涼飲料水、特に炭酸飲料の製造を手がける企業です。神奈川県川崎市川崎区に本社および工場を構え、長年にわたり様々な製品を生み出してきました。同社が主力として製造しているのは、昔ながらのラムネと、近年注目される地サイダーです。特に伝統的なラムネにおいては、使い終わった瓶を回収・洗浄して再利用するリターナブル瓶を今なお採用し続けている点が特徴として挙げられます。

沿革

川崎飲料株式会社の歴史は古く、1929年（昭和4年）に創業しました。当初はかき氷用シロップの製造から事業を開始しています。会社として正式に設立されたのは、戦後間もない1952年（昭和27年）5月のことです。

設立から長きにわたり、同社の事業の中心は他社ブランド製品の受託製造、すなわちOEM（Original Equipment Manufacturer）でした。様々な企業の製品を製造することで技術と信頼を培ってきましたが、長らく自社名を前面に出すことはありませんでした。

転機となったのは、2006年以降に全国的に盛り上がった「地サイダーブーム」です。地域色豊かなサイダーが注目を集める中、川崎飲料株式会社はこの機をとらえ、自社名を冠したブランド製品の開発、製造、販売へと積極的に乗り出しました。これにより、OEM中心だった事業構造から脱却し、独自の製品ラインナップを築き上げる道を歩み始めます。

自社ブランド製品の開発・販売への注力は成功を収め、特に「湘南サイダー」は、同社を代表するヒット商品として広く知られるようになりました。この成功を足がかりに、現在に至るまで自社ブランド製品の展開を強化しています。創業から数えると2009年には80周年を迎えるなど、長い歴史を持つ企業でありながら、時代の変化に対応し、新たな事業展開を成功させてきた経緯を持っています。

主な製品

（2011年11月現在）

川崎飲料株式会社は、多岐にわたる炭酸飲料を製造しています。その中でも特に主要な製品としては、以下のものが挙げられます。

ラムネ:
伝統的な瓶入りの「ビードロおいしいラムネ」シリーズは、ボトル缶やPETボトルタイプも展開していますが、特にリターナブル瓶を用いた製品は同社のこだわりを示すものです。ビー玉入りの独特な瓶と爽やかな味わいは、多くの人々に親しまれています。

地サイダー:
地サイダーブームの中で開発された自社ブランドの代表格です。「湘南サイダープレミアムクリア」や「横浜サイダープレミアムクリア」など、地域名を冠した製品は、その土地ならではのイメージと結びつき、観光客向けのお土産としても人気があります。特に「湘南サイダー」は前述の通り、同社のヒット商品の一つです。

レモネード:
爽やかなレモンの風味を楽しめる炭酸飲料です。

その他の炭酸飲料:
上記以外にも、個性的な味わいの「コアップガラナ」や、パーティーなどで用いられる「シャンメリー」なども製造しており、幅広いニーズに応じた製品を提供しています。

このように、川崎飲料株式会社は、古くから愛されるラムネ製造で培った技術を基盤としつつ、時代の流れを捉えた地サイダーやその他の炭酸飲料の開発にも力を入れ、日本の清涼飲料水文化の一角を担っています。特に、リターナブル瓶を継続して使用する姿勢や、地域に根差した地サイダーの開発などは、企業の特色として注目されます。

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