川崎駅前タワー・リバーク

川崎駅前タワー・リバークは、神奈川県川崎市の中心部、川崎区駅前本町にそびえ立つ高層ビルです。JR川崎駅と京急川崎駅にほど近いこの建物は、駅と府中街道に挟まれたかつての街区が、大規模な都市再生を経て生まれ変わった姿です。

この地には、タワー・リバークが建設される以前、古くなった店舗や住居などが密集している状態でした。川崎市は、限られた土地をより有効に活用し、都市機能の向上を図ることを目指し、1980年3月に「川崎駅周辺都市整備基本構想」を発表しました。これを受けて、再開発への動きが具体化し、1983年12月には川崎駅北口地区第1街区の再開発に向けた準備組合が設立されました。

都市計画の決定が1989年5月に告示され、事業を推進する「川崎駅北口地区第1街区市街地再開発組合」が1990年2月に設立認可を得ました。計画の進行に伴い、1992年1月には既存建築物の取り壊しが始まり、同年9月にはいよいよ新しいビルの本体工事が着工されました。そして、約2年間の工事期間を経て、1994年12月に川崎駅前タワー・リバークは無事竣工を迎えました。ちなみに、この再開発事業は複数の街区に分かれており、本ビルが建つのが第1街区にあたります。本ビルと京急の高架橋に挟まれたエリア（パシフィックマークス川崎や川崎フロンティアビルがある場所）が第2街区、川崎DICEの建つ場所が第3西街区に相当します。

建物の外観は、現代的なガラスカーテンウォールで覆われ、洗練された印象を与えます。低層部にあたる1階と2階には、開放的なガレリアが設けられています。このガレリアの両側には、証券会社や様々な店舗が軒を連ねています。また、地下1階と、建物の高層階である21階および22階には飲食店が入居し、利用者に多様な食の選択肢を提供しています。

さらに、本ビルは商業施設だけでなく、公共・文化施設や行政機能も併せ持つ複合ビルとしての特徴を持っています。3階と4階には、地域住民に親しまれる川崎市立川崎図書館と、芸術活動の拠点となる川崎市立アートガーデン川崎が設けられています。オフィスフロアの一部には、川崎市の建設緑政局や港湾局の一部の部署も入居しており、行政サービスの提供にも貢献しています。また、建物の地下2階には、将来的な京急大師線の連続立体化計画に備えて構築された地下構造物も存在します。

交通アクセスに関しては、JR川崎駅、京急川崎駅のいずれからも徒歩2分程度と非常に至近な立地です。特に、2018年2月17日にはJR川崎駅の北口通路と北改札が新設され、これに合わせて整備されたデッキにより、本ビルの2階エントランスと直接つながるようになり、駅からの利便性が格段に向上しました。

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