川手良則

川手良則について

川手良則（かわて よしのり）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、甲斐の武田氏、さらには徳川氏の家臣として知られています。その後、井伊氏の家老としても重要な役割を果たしました。彼の生涯は、武士としての名誉や忠誠心、戦闘の才覚に満ちたものでした。

略歴

良則は1532年に、今川氏の家臣であった山田景隆の子として誕生しました。山田家は三河国の川手城を根拠地としており、父の景隆は松平広忠の死後、今川氏から岡崎城の城代に派遣されましたが、桶狭間の戦いの後に松平元康（後の徳川家康）に岡崎城を返還しました。良則は、今川氏の滅亡後、武田氏に仕官し、山県昌景の配下としてその名を知られるようになります。彼は、信玄から「若手の有能な者」と賞賛されました。

永禄5年（1562年）には、武蔵松山城攻略において顕著な功績を残し、元亀元年（1570年）には、駿河国板妻での戦闘において、長坂甚内左衛門と共に敵中に突入し敵将の首を取る勇敢な行動を見せました。この功績により、信玄から特に重い刀を賜ることになります。

その後、甲州征伐を経て、良則は徳川家に仕官します。天正10年（1582年）には、徳川家康の命で井伊直政の異母姉、高瀬姫を妻に迎えました。この結婚により、彼は井伊家中での地位を確立し、木俣守勝よりも上位の位置に立つことになりました。知行は最初2500石からその後4000石に増加し、関ヶ原の戦いでは高崎城の城代として留守を守ったのです。

良則は1601年に死去し、家督は養子の良行が継承しましたが、良行は元和元年（1615年）の大坂夏の陣で戦死し、その子息も早世してしまい、川手家は無嗣断絶となりました。しかし、幕末の嘉永6年（1853年）、井伊直弼の命により、川手家は新野親良の子、河手良貞によって再興されました。

脚注

良則の生涯は、名誉と忠誠という武士の精神を具現化したものであり、彼の功績は歴史に確実に刻まれています。彼が辿った道は、後の武士たちにとって示唆に富むものとなり、時代の変遷の中で数々の武将たちに影響を与えました。

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