川村驥山

川村 驥山（かわむら きざん）

川村驥山（1882年5月20日 - 1969年4月6日）は、日本を代表する書家であり、日本芸術院の会員でもありました。本名は川村慎一郎で、彼は酔仏居士、酔驥、長嘯庵主人などの別号を持つ芸術家です。静岡県の袋井市に生まれ、父は漢学者の川村東江という立派な家庭に育ちました。彼は幼少期から学問と芸術に親しみ、特に書道の技術を磨くために太田竹城に師事しました。

略歴

彼の書道家としての名声は実力に裏打ちされています。1894年には、若干12歳で孝経の全文を暗記し、明治天皇の前でその技を披露したという貴重な経験を持っています。この功績により、彼は早くから注目される存在となりました。

1909年から1913年の間、彼は内閣賞勲局での勤務経験を持ち、書道以外にも幅広い活動を展開しました。1913年には、中国での書道研究のために渡航し、その後も1931年、1932年と中国への訪問を重ねました。1932年には、東方書道会を結成し、書道界に新たな潮流を生み出しました。

1941年から1944年までは北京に滞在し、現地の書道にさらなる影響を受けることで、彼の作品はより深みと幅を持つようになりました。1948年には日展の審査員に任命され、1951年には日本芸術院賞を受賞します。1952年には日展運営会の参事に就任し、さらに1958年には日展評議員に就任しました。

1962年には芸術院会員に就任し、日展理事にも就任しました。また、驥山館を開館し、書道の普及に努めました。彼の業績は数々にわたり、1965年には勲三等瑞宝章を受章し、1969年に四位を追贈されるなど、日本の書道界において特筆すべき存在となりました。

逸話

彼の指導を受けた著名な人物の一人に、中山博道という昭和の剣聖がいます。驥山は中山に書道を教えることから、書道と武道の両面から深い表現を得ることができ、彼の教えは言葉を超えた影響を持つものでした。

刊行物

驥山はまた、書道に関する著作も残しており、特に「驥山狂草飲中八仙歌」（五禾書房、1962年）や「驥翁自適帖」（二玄社、1965年）などの作品があります。これらの文献は、彼の書道に対する情熱や独自のスタイルを理解するための重要な資料となっています。

まとめ

川村驥山は、日本の書道界に多大な貢献を果たし、その影響は今でも色褪せることなく受け継がれています。彼の技術や情熱は、多くの後進に影響を与え、書道を愛する人々にとっての道標となっています。

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