川浦ダム

川浦ダムについて

川浦ダム（かおれダム）は、岐阜県関市に所在し、長良川の支流である板取川の右支川、西ヶ洞谷川に建設された発電用のダムです。このダムは、発電目的で建設されているため、特に中部電力によって管理されています。

概要

川浦ダムは、高さ107.5メートルのアーチ式コンクリートダムであり、その特性を活かして発電用の水を貯める役割を果たしています。また、ダムの高度な管理を実現するため、主ダムの脇には鞍部ダムと呼ばれる重力式コンクリートダムも建設されており、これにより貯水位の維持が効率的に行われています。1995年に完成された川浦ダムは、発電能力が1,500,000kWとされており、揚水発電の一環として木曽川水系の水を利用しているのが特徴です。

上池には奥美濃発電所のために建設されたもので、下池もまた根尾川関連の上大須ダムのダム湖が利用されています。このように、川浦ダムは地域の水資源を最大限に活用する形で設計されています。

観光スポットとしての川浦ダム

川浦ダムは白山山系の奥深くに位置しており、訪れる際には特徴的な地形が道を阻むことが多いです。下流側の板取方面からは、峡谷が立ちはだかり、ダムへのアクセスが難しくなっています。ダムへの管理用道路は上大須ダムからおおよそ山を越えるルートで接続されていますが、通行は発電所に関係する方々に限定されるため、一般の訪問者は通行規制が掛かります。そのため、管理用道路の入口ゲートから登山道へ乗り込んで迂回する必要があります。このような事情から、ダム愛好家からは時に「幻のダム」と称されることもあるほどです。

周辺の開発と展望

川浦ダムには、かつて新たな揚水発電所を建設する計画がありました。中部電力は2021年に完成を目指して川浦発電所を計画していたものの、電力需要の減少を背景にそのプロジェクトは疑問視され、最終的には2006年に中止が決まりました。近年、木曽川水系では他にもいくつかの揚水発電計画が中止されており、川浦に関する計画はそのひとつとして記録されています。

川浦鞍部ダム

川浦鞍部ダム（かおれあんぶダム）は、川浦ダムと互いに貯水池を共有し、ダムの貯水位を安定させるために設けられた別の発電用ダムです。このダムは、西ヶ洞谷川の越流部分に位置し、約350メートル下方には 奥美濃水力発電所が存在し、上大須ダムとの間で純揚水発電を行っています。

川浦ダムとその周辺は、自然環境とも調和しており、同時に発電所としても重要な役割を果たしている点から、訪れた際には地域の歴史や文化にも触れられる貴重な場所と言えるでしょう。

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