川端玉章

川端 玉章（かわばた ぎょくしょう）

川端玉章は、天保13年3月8日（1842年4月18日）に生まれ、大正2年（1913年）に逝去した明治時代を代表する日本画家です。本名は滝之助であり、東京美術学校の教授を務める傍ら、川端画学校を開設し、多くの弟子を育てました。特に、同じく著名な画家である橋本雅邦と共に、その技術と影響力が高く評価されました。

経歴

玉章は京都の高倉二条瓦町に、蒔絵師の家系に生まれました。彼の父は三井家に出入りしており、彼もまた三井家に丁稚奉公に出されました。11歳の時、彼の絵の才能が三井家の高喜や高弘に認められ、初めての師匠となる中島来章に紹介されることになりました。また、画論については小田海僊から学び、その技術を磨いていきました。

1867年（慶応3年）に江戸に移住した後、彼は1872年（明治5年）に高橋由一から油絵を学びました。その年には三井家の依頼で「狐の嫁入り」という扁額を描き、これが彼の初めての代表作として知られるようになります。ただし、当時は生活が困窮しており、版画や新聞のための挿絵なども手がける日々が続きました。

1877年（明治10年）、彼は第1回内国勧業博覧会で褒状を受け、その名声が高まり始めます。翌年には画塾天真堂を開設し、1879年（明治12年）には龍池会の設立にも関与しました。1882年（明治15年）には第1回内国絵画共進会、1884年（明治17年）には第2回でも銅賞を受賞し、ますます頭角を現していきました。

1890年（明治23年）には岡倉天心の呼びかけにより東京美術学校の円山派の教師として招かれ、1912年（大正元年）までの22年間、特に写生の指導を行いました。玉章は才能ある画家として生徒たちに強い影響を与え、彼の独特な筆使いと技術は生徒たちの記憶に深く刻まれています。彼の技術は、まるで曲芸のように見える程のものでした。

1881年（明治14年）には深川で画塾「天眞舎」を開設し、1891年（明治24年）には若手画家たちによる日本青年絵画協会の設立を支援、事務所も彼の自宅に置かれました。後に、彼は帝室技芸員や古社寺保存会の委員、さらには文展の審査員を務めるなど、文化の発展に寄与しました。

晩年と死去

1913年（大正2年）2月10日、玉章は息子の茂章のもとで発作を起こし、4日後に長い間の病気で息を引き取りました。彼の葬儀は駒込の自宅から行われ、その後、彼の業績を讃える顕彰碑が東京都内に建立されています。

彼の影響を受けた弟子たちの中には、洋画家の川端実もいます。玉章の作品や教育は、今日においてもその価値が高く評価されています。

栄典

玉章はその業績により、1901年（明治34年）に正六位、1903年（明治36年）には従五位に叙せられました。彼は数々の作品を残し、日本の美術界において長くその名を刻んでいます。代表作には「七福神宝之蔵入」や「七福神勧進帳之学」などがあります。彼の著作も多岐にわたります。

玉章は、日本画という枠組みにとらわれず、教育者としても優れた才能を発揮し、今も多くの人々に影響を与え続けています。

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