川西康之

川西康之は、1976年奈良県川西町生まれの日本の建築家・デザイナーです。幼少期に水戸岡鋭治のパース画に魅了され、建築の世界に足を踏み入れました。自身の名前と出身地である川西町が同じであることは偶然の一致であり、ペンネームではありません。

千葉大学工学部建築学科を卒業後、同大学院に進み、デンマーク王立芸術アカデミーにも留学。その後、オランダの建築設計事務所での勤務を経て、2002年に建築家チームnextstationsを設立。2005年からは、文化庁の新進芸術家派遣制度を利用し、フランス国鉄（SNCF）の交通拠点整備研究所に所属し、ランス周辺の整備計画に携わりました。

帰国後、複数の設計事務所を経て、2014年に株式会社イチバンセンを設立。「課題整理＋建築設計＋事業運営＋情報発信」をトータルにデザインする企業として、公共交通、医療、福祉、生活、地域の未来を創造することを目指しています。社名の「イチバンセン」は、人々の交流と物資の移動の中心であった駅のプラットホーム（1番線）に由来し、街のあらゆる機能が集約されていた場所を象徴しています。

川西の主な作品には、肥薩おれんじ鉄道のトータルデザイン、土佐くろしお鉄道中村駅のリノベーション、指宿枕崎線枕崎駅の駅舎デザインなどがあります。特にえちごトキめき鉄道では、車両デザインからサイン類までトータルに手がけ、リゾート列車「雪月花」では基本設計から担当しました。

近年では、みちのりホールディングス傘下の高速バスや関東自動車の路線バスのデザイン、旭タンカーの内航電気推進タンカー船、JR西日本の観光型高速船「シースピカ」や特急「やくも」のデザインも担当。さらに、神戸電鉄や近畿日本鉄道の駅舎デザインも手がけ、出身地である川西町の結崎駅のデザインも担当しています。

これらの作品は、デザインの美しさだけでなく、機能性や地域への貢献も重視しています。川西康之の幅広い活動は、建築とデザインの力で社会に貢献する可能性を示しています。

彼のデザインは、ただ美しいだけでなく、利用者の体験を向上させること、地域社会の活性化に繋がることを目指しています。それぞれのプロジェクトにおいて、川西は課題の核心を捉え、それをデザインによって解決しようと試みています。彼の作品は、単なる建築やデザインの枠を超え、社会全体をより良くするための重要な役割を果たしています。

また、デザインプロセスにおいては、事業主、スタッフ、地域住民との協力を重視し、一体的かつ総合的なデザインを目指しています。このアプローチは、利用者にとって使いやすく、地域社会にとっても価値あるものを生み出すための鍵となります。彼の作品は、公共空間におけるデザインの重要性を改めて示しています。

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