川西機械製作所

川西機械製作所

川西機械製作所は、かつて日本に存在した機械製造メーカーです。航空機、繊維機械、衡器、そして真空管といった多岐にわたる製品を製造していました。特に真空管の技術は、当時の日本において最高水準であると高く評価されていました。

しかし、第二次世界大戦後の戦時補償打ち切りにより、経営は困難となります。債務整理のために企業再建整備計画が適用され、第二会社を設立して解散という道を選びました。その後、第二会社であった神戸工業は1968年に富士通と合併。ラジオ部門は富士通テン（現・デンソーテン）として分離し、創業の地で現在も業務を続けています。

沿革

川西機械製作所の歴史は、川西財閥を率いた川西清兵衛が、1918年に中島知久平が設立した飛行機研究所に出資したことに始まります。この出資により日本飛行機製作所（後の中島[[飛行機]]）が設立されましたが、操業開始から1年余りで川西家と中島氏の間に意見の相違が生じ、川西家は中島氏と袂を分かち、神戸へと引き揚げました。

1920年：川西機械製作所を設立。神戸市兵庫区の川西倉庫の一棟を改造し、航空機と繊維機械の生産を開始。
1922年：衡器の製造を開始。
1928年：航空機部門を分離独立させ、川西航空機株式會社（現・新明和工業）を設立（川西龍三が所長に就任）。
1932年：株式會社川西機械製作所に組織変更。
1934年：真空管の試作に着手。
1935年：通信機の製造を開始。
1936年：真空管の量産を開始。
1940年：大久保に通信機工場が完成（現富士通明石工場）。
1943年：明石工場を開設。
1945年：衡器部門を明石工場へ移転し、大和製衡株式會社として分離独立。
1946年：通信機用の商標“TEN”を制定。
1949年：企業再建整備計画に基づき、株式會社川西機械製作所は神戸工業株式会社（現・デンソーテン）、灘琺瑯株式会社、小野硝子工業所の第二会社3社を設立し、解散清算事務に入りました。

現在

川西機械製作所は、その名こそ消えましたが、その技術と精神は、新明和工業、デンソーテン、大和製衡といった企業に受け継がれています。特に、デンソーテンは、川西機械製作所が通信機に与えたブランド"TEN"を現在も使用し、創業の地である神戸で事業を展開しています。

外部リンク

デンソーテン 川西機械製作所のあゆみ（PDF）

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