川路夏子

川路夏子の生涯

川路夏子（かわじ なつこ、1919年1月2日 - 2011年6月5日）は、日本の舞台と声の世界で長いキャリアを持った女優および声優です。彼女の起源は1937年に新築地劇団に入団したことに遡ります。この劇団での彼女の活動は、彼女の演技キャリアのスタート地点となりましたが、1940年にこの劇団が解散した後、川路は青年作家隊に参加し、演技の幅を広げました。さらに1943年には前進座に入団し、1948年まで所属していました。その後、テレビやラジオの世界へ進出し、三文くらぶ、同人舎プロダクション、新企画、テアトル・エコーなどで活動を続けました。

演技と教育

川路は本業として女優業を全うし、特に演劇に情熱を注ぎました。彼女の師匠である川路柳虹の影響を受けて、若い声優たちを育てることにも力を入れていました。特に、関俊彦や亀山助清、元声優の間嶋里美など、後輩たちにとって川路は大切な存在でした。関俊彦にとっての初めての師匠であり、たくさんの演技指導を受けた彼にとっては、川路の教えが大きな影響を与えました。

川路自身が主宰した劇団「グループカオス」には、他の劇団出身者も参加しており、演出の際にはメンバー全員の出演を必ず組み込むという方針を持っていました。彼女は「自分の劇団は誰もが舞台に立てる場所である」と語っており、メンバーを大切に思っていたことが窺えます。

長きにわたる舞台の道

川路は83歳になるまで、劇団の公演を続けました。彼女は亡くなる3年前も周囲に若く見られるほどの元気な姿を保ち、演技への情熱を失うことはありませんでした。彼女の墓所は、多磨霊園にあり、今も多くのファンに覚えられています。

主な出演作品

川路夏子は、テレビドラマやアニメ、映画、特撮、吹き替えなど多岐にわたるジャンルで活動しました。

テレビドラマ

• - おかあさん（TBS）
• - 鞍馬天狗（KRテレビ）
• - 刑事くん（TBS）
• - 煙の王様（TBS）
• - 指名手配（NET）
• - 特別機動捜査隊（NET）

映画

• - どっこい生きてる（きみ）

テレビアニメ

• - 昆虫物語 みなしごハッチ（1970年）
• - あしたのジョー（1971年）
• - 新・オバケのQ太郎（1971年）
• - 珍豪ムチャ兵衛（1971年）
• - アルプスの少女ハイジ（クララのおばあさま、1974年）
• - みつばちマーヤの冒険（旧女王、1975年）
• - ラ・セーヌの星（ベルヌ、1975年）
• - ハックルベリィの冒険（ナレーション、1976年）
• - ドカベン（お鹿バァさん、1977年）
• - 赤毛のアン（ジョセフィン・バリー、1979年）
• - 花の子ルンルン（王妃、1979年）
• - トム・ソーヤーの冒険（サリー、1980年）
• - みゆき（中田律、1983年）

特撮

• - 仮面ライダー（カガミトカゲの声）

吹き替え

映画

• - アガサ 愛の失踪事件
• - オリエント急行殺人事件（公爵夫人）
• - 吸血鬼ドラキュラの花嫁（マインスター男爵夫人、フジテレビ版）
• - 絞殺魔（エレン）

ドラマ

• - 宇宙大作戦
• - 奥さまは魔女（グラディス・クラビッツ）
• - 大草原の小さな家（マリア）
• - チャーリーズ・エンジェル #16（マーヴィンの母）

人形劇

• - サンダーバード（グランマ）

川路夏子は、演技者としてのキャリアや、後進の育成を通じて、舞台芸術の発展に大いに寄与した存在です。彼女のこれまでの足跡は、現在も多くの人々に影響を与え続け、多くのファンに愛され続けています。

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