左翼民主党 (イタリア)

左翼民主党（Partito Democratico della Sinistra、PDS）

左翼民主党（PDS）は、かつてイタリアに存在した政党です。イタリア共産党（PCI）が解散した後、その主流派が社会民主主義政党として1991年に結成しました。1998年には党名を左翼民主主義者（Democratici di Sinistra、DS）に改称しています。

歴史的背景

PDSは、西側世界で最大級の勢力を誇ったイタリア共産党を母体としています。イタリア共産党は、早くからソ連型の社会主義とは一線を画し、複数政党制を認めるリベラルな社会主義、いわゆるユーロコミュニズムを提唱していました。1991年、アキレ・オケットを中心とする主流派が共産党を解散し、新たに左翼民主党を結成しました。

1993年のイタリア政界再編の中で、PDSは教条主義的な思想と決別し、社会民主主義政党としての道を歩み始めます。当時のイタリア社会党（PSI）の衰退も影響し、PDSはイタリアにおける主要な社会民主主義政党としての地位を確立しました。ただし、共産党内の教条主義を堅持しようとするグループは、共産主義再建党として分離しています。

1994年の総選挙では、シルヴィオ・ベルルスコーニ率いる中道右派連合に敗北し、アキレ・オケットが党首を辞任。後任にはマッシモ・ダレマが就任しました。1996年には、ロマーノ・プロディが率いる中道左派連合「オリーブの木」との選挙協力が功を奏し、政権を獲得しました。

歴代書記長

初代：アキレ・オケット（1991年 - 1994年）
第2代：マッシモ・ダレマ（1994年 - 1998年）

関連事項

ルニオーネ
オリーブの木
民主党 (イタリア)
マルゲリータ (政党)
イタリア共産党
共産主義再建党

PDSは、イタリア政治における重要な転換期に、共産主義から社会民主主義への移行を主導した政党として、その名を歴史に刻んでいます。

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