左良玉

左良玉（さ りょうぎょく、1599年 - 1645年）は、明末から南[[明]]にかけての動乱期に生きた武将です。字は昆山と称しました。

生い立ちと初期の軍歴

左良玉は山東省臨清の出身で、幼くして両親を亡くし、叔父に育てられました。若くして兵卒となり、天啓年間には遼東での後金（後の清）との戦いに従軍します。その勇猛さと軍事的な才能が認められ、遼東車右営都司にまで昇進しました。しかし、崇禎元年（1628年）には寧遠兵変に連座して罪を問われるという不遇も経験します。

再起と農民反乱の鎮圧

失意の中にいた左良玉でしたが、総督の侯恂に見出され、その下で副将として再び軍務に就きます。侯恂は詩人としても知られる侯朝宗の父であり、左良玉の才能を高く評価した人物です。左良玉は遼東で再び戦功を挙げ、その名を轟かせました。その後、明朝は農民反乱が激化し、左良玉は関内に移って李自成や張献忠らの反乱軍と戦うことになります。各地を転戦し、数々の激戦を経験する中で、左良玉は着実に軍功を積み重ね、ついには総兵にまで昇りつめ、その軍勢は数十万に達したといわれています。

南[[明]]での活躍と悲劇的な最期

崇禎17年（1644年）、明朝が滅亡し、弘光帝が南京で即位すると、左良玉も南京に上り、寧南伯に封じられます。さらに平賊将軍に任ぜられ、武昌に駐屯することになりました。しかし、南[[明]]朝廷の首輔である馬士英らとはそりが合わず、不協和音が生じていました。翌年、南北太子事件（崇禎帝の皇太子を名乗る人物が南京と北京に二人同時に現れた事件）が発生します。この混乱の中で、左良玉は南京に現れた太子を本物と信じ、その救出を名目として、馬士英を討つべく挙兵しました。

左良玉は武昌から東下を開始しますが、彼の部将である郝文忠が南京で放火略奪を行ったため、他の将軍たちの反感を買い、足並みが乱れてしまいます。この混乱に乗じるかのように、清軍は南下を開始し、左良玉は進退窮まりました。後悔先に立たず、左良玉は心労からか血を吐いて急死し、その波乱に満ちた生涯を終えたのです。

左良玉の死後、その軍勢は清軍によって解体され、南[[明]]の滅亡を早める一因となりました。左良玉は、その軍事的な才能によって一時は明朝を支えましたが、最後は内紛によってその力を発揮することができず、悲劇的な結末を迎えた人物として、歴史に名を残しています。

参考資料

『崇禎長編』
『南[[明]]史』
* 『明季北略』

もう一度検索